見出し画像

日本の常識、世界の非常識

日本にいる日本人の人と仕事関係で話してて
「ま、中国は特殊なんでね」
そう言われた。その意味は、中国は特殊だから特別気をつけてますという意味だった。だけど、それ違うなと思った。
日本が世界の中で特殊なんだと思う。
中国以外だって世界の他の国は少しずつ形は違っても
日本のように安全ではありません
もしも日本の会社が日本だけでやっていけるのなら
今のままでいいと思うけど
世界がグローバルにつながっている今の状況では
自分たちの身を守るためにもう少し変わってほしいなというか
変わらなければならないというか

人を見たら泥棒と思え
購買になったらキックバック込みで見積もりをもらえ
物は品質で売れるのではなくいくらキックバックできるかで売れる
ベンダーはお客様のところへゆくとき、菓子折りの底にあいほんを忍ばせるのが
常識なこの国

「日本の会社はいいよ」

とある中国人の工場経営者が、日本人である私にいう

「何が?」
「月餅を持っていってありがとうって心から喜ばれた時」
「うん」
「びっくりした」
「……」

つまりはこうである。月餅というのは中秋節の頃にお世話になっている人に贈る贈答品であるが、中国の購買担当というのは、月餅なんて屁とも思ってない。待っているのはもっと別のものである。そんな中で、たかが月餅に目をキラキラとさせて喜んでくれる日本人を見た時に、心が癒やされたというのだ。

「本当はやなの?いろいろ贈るの」
「やに決まってるじゃん」
「あら」
「でも、しょうがないんだよっ!これが常識だからっ」

日系企業と取引するときは、あいほんなんて忍ばせなくていいんだぜ。あいほん忍ばせても、下手すっと品質で落とされて取引できないからな。そして、日系企業の皆様、中国のベンダーさんは日本の企業はアイホンとかなんとかいらないなんて知らない人がほとんどです。そして、会社は許してないし別にそんなもんと取引は関係ないんだけど、下の中国人の人が勝手に有る事無い事いってもらってる可能性があるのよね。だから、担当者を通さず会社から直接我が社はそういう習慣はないって正式文書をメールかなんかで出した方が良い。(担当者にやらせるとメールしたと嘘をつく可能性があるからね)うまくいくと取引単価が下がります。ベンダーさんもね、いろいろ贈ったりヘイコラするのに内心疲れている人が多いですからね。それと定期的に担当替えをすると良いよ。前の担当がなんかやってたかもというのが次の担当になった時にわかりますよ。こういうことがあるとそういうことをやりにくくなってくからさ。

そしてまた別の中国人登場。我が主人。

「最近はあれだね、日本人もやるね」
「何をよ」
「慣れた感じで金額聞かれたよ」
「……」

チーン……

「みんなやるね!」

なぜかこのとき、妙に嬉しそうでした……。人類皆兄弟!みたいなさ。
嘆かわしいことです。長く中国にいます。例えば政府の方にとか取引の時にとかこういう問題の絶えない中国ですが、北の方は政府の取り締まりも厳しく、こういったことは南の方が活発だということと、とにかく昔に比べて政府関係は格段に厳しくなりました。みんな怖くて前のようにはやらなくなったズラ。

ところがね、悪い意味でこちらに染まってしまったというか、お金を払えばどうにかなるよね、みたいな古い感覚のまま今もいる日本人の方というのもいるかもしれません。

嘆かわしいことです……。
中国は本当に変化が激しい。そして、人を見たら泥棒と思え、生き馬の目を抜く、要領が悪い奴から死ぬ、食えるもんはなんでも食え、後、なんだ?
とにかく農耕民族である私から見たら、アンビリバボな中国人の人たち。彼らの逞しい生き方をぽかんとながめこそすれ、農耕民族な分際で、真似なんかしませんよ!!!変化についていけない鈍臭い奴から捕まって血祭りだから、な!

政府の機関にたまーに日本人としてローカルスタッフについてゆく。わざわざ日本人が来てくれたってことで丁寧に対応してくれる政府の方も結構いるんです。
「日本の会社はきちんとしてますよね」
そういう前提で丁寧に説明してくれるんだよ。日本人ってだけで信頼してもらえるんだよ。日本人のそういういいところは変わらないでほしい!大多数の日本人がきちんとしていても、少数が変なことしたら台無しやんけ!

「ああ、忙しい!」

そして、主人は今日も嫌だ嫌だと言いながら茅台酒を仕入れている。接待用だ。それからちょっとキラキラした顔で話しかけてくる。

「日本人もやるね!」
「やらねえよっ!」

なぜか、日本人が中国人みたく商売してたのがツボったらしい主人にプライドを持って否定する。曰く、仲間意識を感じたのだろう。時々、接待をしててふとイヤーになる時があるのだそうだ。元祖中国人の主人でもな。俺、何やってんだろってさ。

嘆かわしいことです。
こんな生き馬の目を抜く中国ではやっぱり生きていけない。おいおい。(←泣いている)日本に帰りたい。しかし、長くこっちにいてすっかりずれてしまった自分は逆立ちをしても日本ではもう働けないと思います……。というか逆立ちができない。そういう話じゃないか。
(お笑い芸人著)
2024.04.11

いいなと思ったら応援しよう!