昨日に続く
昨日は、保護者もうちの息子も学校から詳しい話を受けておりませんでした。学校としては、どこで、誰が、どのように、という情報をできるだけ与えず、子供達の精神面に配慮されていたのかと思います。
刺された子の怪我の程度についてもコメントがありませんでしたが、先生方が落ち着いた態度だったのと希望的観測から亡くなるほどの重傷だとは思っていませんでしたので、今朝のニュースに驚き、それから配信されたニュースを確認して、自分が誤認していたのを知りました。
襲われたのは徒歩通学でお母さんと一緒に学校へ向かう途中の子だったんですね。我が家の近所でした。
報道で見た写真や映像をもとに会社帰りに寄りました。本当に我が家の近くで、何度も通ったことのある通りでした。
自分も一人の男の子の母親ですので、お母さんの気持ちを考えるといたたまれません。
本日午後に学校の説明会があり、オンラインで参加しました。カウンセラーによる説明も一部ありました。もちろん子供が中心の対応になりますが、大人もショックを受けているので必要に応じてオンラインでカウンセリングを受けてくださいとのこと。
そういう話があったので、一番話のしやすい姉にとりあえずまんまの気持ちと言いますか話を言葉にして送りながら家に帰り、息子とも話しました。
こんなことがあったのでたくさんの人に心配され、たくさんのウェイシンを受けました。でも、私たちは大丈夫ですとなんだか書けないのです。それは大丈夫じゃないからではなくて、申し訳なく思ってしまう。冷静に仕事とかしてても、何を私は冷静に仕事してるんだろうと思ってしまう。ニコニコマークも押せないし、冗談も言えません。
頑張ろうもなんか違うし、中国けしからんももちろん違う。
なんというか、すっかりへとへとに疲れてしまいました。
今まで、中国に来てから危ない目に遭ったり大変なことが起きたりしたことはあったけど、今回の件は間違いなく一番身近で起こったことかもしれません。同じ母親として、非常にショックでした。その現場が歩いて行けるところにあるということにも。
説明会でカウンセラーが 普通に生活してください と言っていて、そうか普通に生活していいのかと。なんというか、身近で事件が起きると人間というのはこんな風になるのだなと。私としてもこれは初めての経験かもしれません。
一番辛いのはご遺族で、またクラスメートや先生方でしょうが、同じ学校だったということと近所に住んでいる身として、結構ショックで、このショック度合いが私に話しかけてくる友人知人の度合いとずれてますので、無理して合わせていますが、もう会話が成り立ちません。
起きたことにショックなのに加え、テンションの違う人との会話に合わせなければならない、ま、たいして合わせなかったけど、それにほとほと疲れてしまった。
蘇州の事件の時はここまで落ち混まなかったので、蘇州の自分と今の自分だと会話が成り立たないでしょう。
本日午後がピークで、これはちょっとしんどいなと思い、姉に愚痴を吐き、そして、報道で目にしてしまった現場が中途半端な認識のままだと反対に辛いと思い、現場まで行って明確にどこだったのか確認した。NHKのニュースやYahoo!ニュースで載った写真と同じ背景が家のすぐそばにやっぱりありました。
それを見ながら思ったことですが、事件の報道というのは、事件の身近な人たちのためにあるものではないですね。今行われている様々な報道が、事件の周囲にいて円の中にいる人たちにとってはむしろ役に立たないかなと思います。つまりは知れば知るほど辛くなるし、報道が例えば悲劇として心に訴えるように動くと、それが受けつけられません。これは映画ではないのですから。
とはいえ、蘇州の頃の自分のテンションを思えば、円の外にいればある程度それが普通なのだよなと思う。
緊張のピークのようなものが下がってきましたので、明日であれば、私、何、冷静に仕事してるんだろ?などとは思わず、普通に生活してもいいのだと思えると思う。
もうしばらく姉に愚痴を聞いて貰おうかと思います。
どうしてこんなことになってしまったのか、今回も公開されないかもしれませんが、それではまた第二、第三の予備軍をどうにもできません。ニュースのコメントなんか読んでいると、今回こういうことがあったのだから、日本に来ている中国人の人たちも何をやらかすかわからない、気をつけろなんてコメントも上がってましたが、反対にそう言っている人というのは50歩、100歩で、今回の犯人の持つような思想とわりと近いと思うんですよ。
もっとどうしてこういうことになったのか、それについて明らかにされそれが広く認識され、今もそういう偏った思想を持っている人たちにまで届くことを望みます。
無気力状態から少し思考力が戻ってきたので、もう一つだけ書いて終わりにしようと思いますが、防犯対策を取るのももちろん重要ですが、やはりいい影響を与える教育というのが重要だよなと思わざるを得ない。
この前、イスラエル人でついこの前まで義務である兵役を終わらせた若者が出ているドキュメンタリーを見たのですが、イスラエルは学校を卒業したら社会に出るまでの間に兵役が義務らしい。その兵役を得た後にその若者は今、教師を目指していると言ってました。教師なら、子供たちにいい影響を与えられるからと。それが、彼なりの反戦活動だったということです。義務で兵役につき、その職務がアンフェアであることに悩んだ彼が、兵役を終えた後に考えたこと。
仕事というのは本来、このように選ばれるべきではないかと思い、胸を打たれた事柄の一つでした。
こんばんはここまでにして、これから何も考えずに寝ようかと思います。
亡くなった男の子のご冥福をお祈り申し上げます。
汪海妹
2024.09.19