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地下鉄駅の緑化

今日はどうにも頭が痛い。昨日二杯ほど酒を飲んだのと、夜遅くに寝たし、例によって例の如く熟睡できなかったからじゃないかと思う。親戚のちびっ子は1ヶ月を超えてもまだ我が家にいて、彼奴のいる生活に慣れはしたけど、疲れた体を毎晩ソファーに伸ばすときに彼奴の遊んでいたおもちゃのブロックが片付けられてなくて伸ばした足に当たったりすると、イラッとする。

中国のこの家族が仲が良いというか親戚が仲が良いというのもいかがなもんかなと思う。日本で1ヶ月以上もいくら親戚の家だからといって小学校1年生を預けることがあるか?

ちなみに、でも、自分は息子に日本語を覚えさせるために3ヶ月ほど実家にひとりで預けたことがあるぞ。幼稚園児だったよ。

ふっ!(→情けは人のためならず。つうか先に情けを受けて借金してたんだわ)

お姉ちゃん、お父さん、お母さん、お義兄さん!いつぞやはありがとう!!

清く正しく元気よくー!頭は痛いが仕事へと向かう。そして、最寄りの地下鉄の駅である。つくづくと見る。

地下鉄の駅に周りに観葉樹が植えられ、その周りには花が植えられてミニガーデニングの様相を呈している。深圳、文化都市だな!中国、すげえな、と私が思うだろうか?

ガー

エスカレーターで地下へと降りながら毎朝この地下鉄の緑化を見ると思い浮かべることを今日も思い浮かべる。深圳はイノベ都市として税収も豊かなんだろうが、中国のシリコンバレーよ、しかし、コロナの時の隔離政策の際に怒涛の無料検査で金をばっちし使っちゃってカツカツなはずさ。それで、しれっと最近は税務検査が増えて、払えるところから税金むしり取ってるんだぜ。

なのに、無駄に地下鉄を緑化することよ、ホトトギス(→若干の俳句風)

これは、深圳がイノベシティだからでも、税収ガッポガッポで金が余っているからでもなんでもない。政府系のはあれだ、儲けたい植木屋がいるのよ。そいつが擦り寄るのよ。すると、小遣い欲しい政治屋がいるのよ。2人で無駄に中途半端に地下鉄の駅、緑化してみました!てへ!てへ、からの連想。

アラレちゃんが出てきて、緑化した地下鉄の駅を背景に小首を傾げているぞ。

キィーン!

そこで、自分はアラレちゃんのように駆け出して会社へと出勤したか?んなわけねだろ。

地下鉄に乗るときは必ず手荷物検査がいる。本当にちゃんと検査してるのかなぞなXボックスのベルトコンベアの上に我が鞄を置く。

「何も入ってねえよ、何もっ」

私の傍で小さなバッグを肩から斜めがけにした、志村けんさんが演じていたコントの爺さんみたいな人がいて、手荷物検査を拒否っている。

「いいから、見せて」
「何も入ってねえよ」

ど素人が……

キングダムの桓騎に一瞬なって、心の中でつぶやいてみた。どんなに何回転生しても、男になっても、私の魂では桓騎みたいなカッケー男にはなれないだろうが、それでも、毎日の中でこそっとチビっと真似するのが我がブームである。ちなみに女は黒桜の姉さんが大好きだ。

手荷物検査が終わった後にスマホで改札を抜ける。

ビー!

向こうのビッタンバッタンな扉が開かず拒否られた。先月買い換えたばかりの我がスマホを見る。

残高不足

ど素人が……

桓騎を思いつつ、自分で自分に突っ込んでみた。サクッとチャージした。もう一回だ。

ビー

あれ?

ビー

およよ?

ビッタンバッタンに相変わらず拒否られている。

ふっ!
天井を見上げる。なぜかそこにワイハ(→昭和の人間はハワイをこう呼ぶ)の幻が見えた。行ったことないけど、浜辺と海と椰子の木が見えた。頭も痛いし、改札のビッタンバッタンには嫌われているし、回れ右して帰ってワイハの夢でも見るか。

ど素人が……

今朝は桓騎が出てきすぎだぜ。
しかし、根っこは桓騎とは似ても似つかない私。もう一度よくスマホを見た。

もしかして……
VPNを切ってみた。

ピッ

ビッタンバッタンはとうとうしっかと左右に開き(若干やらしい描写だと思ってしまうのは気のせいだろうか?)、私を通しました。

VPNが繋がらないと何もかんも繋がらない某⚪︎国、いかがわしいことこの上ないが、端っこに住まわせてもらっている以上、文句は言えない。しかし、VPNにつながっていると、今度はお金の決済に支障をきたすのである。

やれやれ

滑り込んできた地下鉄に乗り込み、頭痛もするし寝不足な私は堂々と鉄の座席に座り、そのキテレツに固い椅子の上でわずかな時間でパズルゲームに没頭した!毎朝のことである。時々まぢで自分の駅で降りるのを忘れそうになる。しかし、ギリギリでそれを回避してきているので、ゲームに没頭していており忘れたことはまだない。にゃん!

連続で負けてハートがなくなり、会社の最寄駅に降りる。すると、地下鉄の人の流れの中で浮いている人が二つ。よろよろとエスカレーターへと歩いてゆくその微妙な様子。

先ほどのど素人な爺様だった。隣は連れ合いのばさまだ。

私って、優しげな小説書いてるし、笑える冗談はよく言ってるし、雰囲気も柔らかいし、いい人だと思われることが多い。

しかし、さっと無駄なく爺様の前に横入りした。

チーン……

でも、ど素人な何かが、今朝、すごく、無理なんですぅ。地下鉄の手荷物検査に立て付き、ちなみに隅っこでやらずに堂々とパブリックのど真ん中でやって通りにくかったし、アチキは今朝は寝不足で頭痛がして、余裕がないんですぅ!

さりげに横入りしたことで、ストレス度が若干下がる。ピラリララ(→ドラクエ的なゲーム音)

ああ、だりいな。昨日の夜遅かったのが辛かったな。もう歳だな。酒はそんなに飲まなかったんだけどな。

ガー

会社のビルの一階でエレベーターに乗り込んだ。この朝の時はわちゃわちゃと別の人たちも乗り込んでくる。そのほとんどがまず中国人です。そんなん別に当たり前や、ここは中国だからな。そしてそのほとんどがのどかにおっぴろげにほとんどと言っていいほど、変な服です。

変な服ですというのは正確にいうと、TPOを完全に無視した人たちの百鬼夜行です。深圳もイノベ都市だけど、そこに住む人たちがソフィスティティックかというとそれはまた別の問題な訳よ。味はいいけど大根だったり、コスパいいけど訳ありせんべいだったりするのよ!

「海水浴ですか?」

と思うような人がいたり、

「トンボを取りに行くんですか?」

その割には虫取り網を持ってないなっというような人がいたり……

百鬼夜行なんですううううううう!なんで会社にそんな格好でくるねーん!ねーん!ねーん!ねーん!(割愛)
ショックのあまり、流れる音楽。

潮風を 頬に受け 裸足でかけてくー
振り向けば 白い砂 わたしの足跡

不思議の島のフローネである。イエーイもうヤケクソである。ヤケクソで脳内音楽フローネな私をほっておいて、TPOを完無視した方達が1人、2人とエレベーターを降りてゆく。

ピンポーン

23階でおっさんが降りる。最後の人間はわたしのみ。やれやれ。アチキは25階なんだよ。

ガーーーーーー
あれ?

さすが、頭痛で起きた朝。フローネを歌いつつ、23階から1階へ引き戻される私。

あ……

百鬼夜行に気を取られて、25階のボタンを押すのを忘れてたぜ。

汪海妹
2024.08.01

追記:ちなみにイノベ都市深圳の全ての中国人が、TPO的に百鬼夜行なわけではない。アチキの勤め先の入っているビルは、深圳の最も典雅な位置に位置しているわけではないのだ。典雅なオフィス街へゆけば、もう少し人々の服装も華やかだぜ。深圳の民のために弁護しておく。それではアディオっス


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