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【雑記】螺旋階段2周目

仮の夜の

はじめましてに

紅を引き





何度目かのはじめましてを

迎える気持ち


いろいろと事情が重なり、2周目の螺旋階段に踏み出します。

年末にはソーマさんに会えるけど、はじめましての人が先になってしまいました。

今の気持ちは、一言では言い表せられない。

今日のこれからの時間を、自分にとって意味のあるものにするために、身体を整えて、訪問を待つ時間。
予約を取ってから、自分のことをたくさん伝えて、希望もイメージも伝えて、もう、あとは、委ねるだけ(事前のカウンセリングは、ちゃんとするよ!と連絡ありました😊)。

ぽっかり空いた時間に、考えていることは、ソーマさんのことばかりだ。

女風初回後の長いもやもや期を経て、崖から飛び降りる覚悟の再出発だった螺旋階段一周目で、ストッパーを鮮やかに取り払ってくれて、言葉の罠をいっぱい仕掛けてくれたソーマさんとの出会い。

ソーマさんのことを想う。ただ、想う。面影を浮かべ、濡れた髪がぺたっとはりつくとドキッとするほど色っぽくなる顔立ちや、ガッチリとした体躯、手や腕や足がそっと絡みつき、抱きすくめられる、耳やうなじに吐息の熱を感じる。

言葉がいらなくなる。

この状態を好きと言うなら、そう呼べばいい。恋と言うなら、それでもいい。

わたしの想いに言葉はいらない。

それでも、今度、会った時、こんなにも積み重なってしまった想いを、わたしは、どんなふうにソーマさんに伝えたらいいのだろう。
会いたかった
会えて嬉しい
今日をとても、楽しみにしていた
そんな、ありきたりの言葉に、
でも、心からの言葉に、
目一杯の真実を込めて。

ソーマさんとは女風で会ったのだから、どうしてもソーマさんを想うのと身体が疼くのはセットになってしまう。

きっと、誰に会ったとしても、この疼きが癒されることはない。ソーマさん本人でなければ癒やすことはできない。

じゃあ、なぜ、わたしはソーマさんとは違う人とはじめましてをしようとしているのか。

ソーマさんと初めて会った時、わたしを開いていってくれる人を見つけたと思ったけれども、わたしの知らないわたしを引き出してほしい、導いてほしい、という願いは受け止めてくれそうにないと3回目のときに気付いた。

ソーマさんへの大事な気持ちはそのままに、罠にかけられたまま、緩やかに繋がり続けながら、やはり、可能性の扉も開けたい。わたしの形を見出したい。

その試行錯誤をともにするのはソーマさんじゃなくて、他の人であったとしても、わたしがわたし自身を知りたい気持ちは止められない。わたし自身に納得のいく形を与えたい、という願いは自分自身の存在と同じ意味に思える。

はじめましての人は、そんなわたしの想いも大事にしてくれる人だったらありがたいな、と思いながら。

ますますこじれる恐れもある、かな。

結局、性の技術への憧れから、どんな夫だったとしても、この世界に飛び込んでいたのだろうと思ったことと同じように、自分自身の願いを叶えるために、わたしは、ソーマさんではない人と、はじめましての挨拶をする。

少々、強引に、自分自身をこのステージに追い込んだ。

ソーマさんがすべて叶えてくれるのだったらいいけれども、それは、ソーマさんが望んでいることではないから。無理強いできないから。

ソーマさんに叶えて欲しかったことを、はじめましての人に預ける。
わたしがわたしと出会うために
ソーマさんへの想いを確かめるために。
ソーマさんとゆるやかに繋がり続けるために。

そして、あまりにも距離と時間が開きすぎて、現実感がなくなってしまった焦がれる想いが、純粋に好きという気持ちに変わることを願いながら。

馬鹿だね。
一人で入り込んだ完璧な片思い。

ソーマさんに、12月の予約を取ろうとした時に、「時期が近くなったら調整しましょう」ってさりげなく遠ざけられたのに。
予約を取ったらメッセージを送っていいですか?という問いに、まるで今は送ってこないで、と言い渡すかのように。
単に年末までも本業で忙しいということなのかもしれないけれども。

わたしの想いは宙に浮いているよ。だから、片思いなんだろうけれども。
片思いなんだから、相手がどう思っているのかなんて考えちゃダメだよ。
想いを寄せるだけにしないと。

女風の中での想いなんだから、秘めていないと。

身体も心も裸になって深いところで繋がったように思っても、それは女風という場の魔法。

会ってくれるのだって、「楽しみにしています」と送ってくれるのだって…。わかってる。わかってる。

女風という魔法があってこそ、想い続けられるということもわかっている。わたしが今、縋ることができるのは、会っている、言葉を交わしている、その時々限りのソーマさん。

普段のソーマさん自身のことを、わたしはそれほど知りたいとは思っていない。わたしが普段はどういう人なのかも言葉で伝えようとは思わない。
 日常に侵食されるのは嫌だという思いと、踏み込んではいけないものがある、との戒めのようなものを頑なに持っていることもあるからかもしれない。

全てが、この女風の閉じられた世界にあるから。この時にこの場にいることだけが真実の世界での想いだから。

と思っていたのに。

3回目の帰り、改札で手を振り合って、これでしばらく会えないなぁと気持ちを切り替えて、最後にもう一度振り返ったその時に、あなたは、何だか意を決したかのような顔にふっと変わって、改札をくぐってきてしまった。同じ方向に用事があるから、と。ほんとはダメなんだけど、見つかったら他のキャストにズルいと思われてしまうけど、と言い訳しながら。

夕日が差し込む空いた電車の中、隣同士に座り、窓の外の川を眺めながら、この川は昔は汚れてたけど、最近は綺麗になったんだよ。と語る。大阪もそうだよ、川に面したレストランとかってお洒落だよねと、おしゃべりする。ふわふわとした気持ちで、明るいところでこんなに間近で話をするのはちょっと恥ずかしいな、と思いながら。和やかに笑みを浮かべて話すわたしたちは、どんなふうに映っていたんだろう。

“女風の時間”ではない、日常の空間の中にたゆたっていた。

ほんの二駅ほどの時間。
同じ駅で降りると、また、手を振り合って別れた。

ソーマさん、やっぱり、あなたは改札を抜けてきちゃいけなかったんだよ。
わたしの見える景色が変わるようなこと、しちゃいけなかったんだよ。

“女風の時間”を超えてはいけなかったんだよ。

少しでもわたしといたいと思ってくれたのかな、そうだといいな、そんなほんのりとした嬉しさに心を染めてしまった。

ねぇ、ひどいよね。嬉しくて、それで、次の瞬間には地獄だよ。口を押さえられて、言葉を飲み込まされて、手も足もがんじがらめになって。
でもね、その気持ちは信じていいんだよねって思ってしまったから、それを支えにしてる。今も、まだ、それを支えにしててもいいのかな。

なかなか会えない、普段は言葉すら交わせなくても。

ただ、静かに想っていられたら、それでいい。探ってしまうと、魔法はきっと解けてしまう。

はじめましての人を待つ間、ソーマさんのことだけ、静かに想っている。
扉を開けたら、あれ、違った、なんて思ってしまうかもと思うぐらい。

変かな?変だよね。
理解不能?そうかもね。
自負自身もよくわからなくなってしまったから、こうやって書き綴っている。

今回はソーマさんに会いに行かずに、他の人と会う。
はじめましての人とはいつもゆっくりと自分のことを知ってもらいたくて、長時間の予約を取るから、このお金で、往復交通費込みでもけっこうな時間ソーマさんに会うことができたかも、と思わないこともない。

そう、お金で、ね。

ソーマさんに会いに行けばよかったかな。突然だけど…って打診したら、また、すぐお返事くれたのだろうか。時間をつくってくれたのだろうか。

距離があることは、自分のブレーキにもなっている。
ソーマさんに会うのが少し怖かった。ソーマさんに会って、この人は違ったんだと思ってしまうこと、その気付きに向き合うのが怖かった。

このnoteでの女風ユーザー仲間のセラピストさんたちの凄さに圧倒され、どんどん高みに引き上げられ、次々と扉を開けていくさまを羨ましく思っている。
ソーマさんと引き比べてしまう。

そんな自分もイヤ。
そんな自分が大嫌い。
わたしを嫌いにさせてしまう、
ソーマさんが…、
嫌い。

わたしの願いを、ソーマさんは叶えてくれない。何度も、繰り返し、そんな悲しみの淵に沈んでしまう、自分の弱さが辛く、苦しく、恨めしく、気持ちがこごっていく。

このままだと、自分の想いを潰してしまう。叶えられなかった悲しみに侵食されてしまう。

わたしの中のソーマさん。ソーマさんとわたしとで繋ぎ続けてきた大事なもの。ソーマさんがわたしに手渡してくれたものの数々。
比べられるものではないのに。
ひとつひとつが、大切なものなのに。

抱き締めてほしいと思う人は、ソーマさんだけなのに。

わたしの願いを叶えてくれる人ではなかったけど、わたしはソーマさんが、好き。
ずるいよ。そんなしゃらっとした顔して、天然でいっぱい罠を仕掛けてくるなんて。
わたしは、罠にかかったまま、檻の中で、あなたを待っている。

もし、他の人に会うことがあったら、ソーマさんを忘れさせてほしい、思い出させないくらい、わたしを壊してほしい、と望むのではないかと思っていた。

でも、そうではなかった。
ソーマさんへの想いを大事に持っていたいから。

今は、ソーマさんに会った時に、ただソーマさんを感じるだけでいいんだって気持ちになりたい、と願っている。女風のセラピストとしてのソーマさんとしてでなく、その場だけでも、ただのソーマさん自身を感じたい。あなたの世界に招き入れられたい。また、罠に絡め取られたい。

今は、自分が縋ることのできる記憶と言葉とともに静かに想いたい。わたしの想いの中で、ソーマさんを感じたい。
決して届かない、届けることのない想いであっても。

性感に期待しないなんて、失礼だよね。ごめんなさい。でも、仕方ないよね。願いを叶えてくれそうにないんだもの。だから、もう、わたしの想いの中では、セラピストさんって思わないことにしたの。

あなたを、ただ、あなた自身として想い続けたいから。もっとあなたを感じたいから。もっと好きになりたいから。

今は、静かに想わせてほしい。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


だから、わたしは女風の個人レッスンを受けることにした。

わたしの知らないわたしに出会うために。

そして、女風の可能性を追求する。
わたしが安全だと思える場所で、
身体を開いて、性の技術を享受したい。
貪欲に体験したい。
わたしの無謀な脳が命じるままに。

そう、体験。わたしが欲してきたもの。
未知のもの
甘美なもの
禁断のもの

螺旋階段を一周回って、女風に飛び込んだ初めの願いに戻ってきた。

うん、ちょっと、ワクワクしてきた。
どんな体験がわたしを待っているのか。
はじめましての人が、どんなレッスンをするのか。

もう、そろそろ、何度目かのはじめましての時間が来る。

「何度目か」としたのは、もう、数えるのはやめたいから。今回で数えるのを最後にしたいから。
今度のはじめましての人は、きっと、それだけのことを期待しても大丈夫なように思えるから。

それにしても、この螺旋階段は上っているのか、下っているのか、それもよくわからないでいるけど。

今から、わたしの個人レッスンを引き受けてくれた(たぶん)、ナオ先生さんを迎えます。

わたしの脱皮はまだやっと、裂け目ができた程度。これから、始まります。



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