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【雑記】わたしが女風で求める快楽(2) 〈縄編1〉

はじめに

◇◇◇「わたしが女風で求める快楽」共通のはじめにです。◇◇◇

わたしが女風(女性用風俗)という場、セラピストさんとともにいる時間と空間という“場”で求めている快楽って何だろう。

快楽は、きっと、そのときどき、会う人、会っている環境、わたしの身体や心の状態、初めての人なのか、何回も会ってきた人なのか、いろんなことが絡まり合って、わたしの快楽がある、というあたり前のことにようやく気付いた。
だから、ひとつひとつが、その場とその人との関係性とで違ってくる。
求める快楽も、何を快楽と感じるのかも、同じ人でも、そのときどきで、きっと違う。

会っていないときでも、何気ない言葉が快楽をもたらすこともある。

ときには、闇ですら、わたしの求める快楽になるかもしれない。

快楽の顔は、多面だ。



今回は、わたしが女風セラピストのソーマさんから受けた縄の話。
もう少しソーマさんの縄への思いを聞いてから、わたし自身ももう少し体験してから、と思ったのですが、次の機会はまだまだ先になりそうなので、この特別で美しい時間を記しておこうと思います。
緊縛は、事故も多いと聞きます。身体のことを熟知し、技術を持ち、経験もあるソーマさんだから安心して受けています。

「静謐」という言葉が似合うひとときを、どうぞ。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

2回目の縄


二人でシャワーを浴び、身体を拭き合い、バスローブに身を包む。
着たまま?直接にする?との問いに、
直接してほしいと伝える。

少し照明を落とした部屋で、ソーマさんがきちんと括られた縄を取り出し、解いていく。縄の撚れを戻すために、縄をすくい上げるように遠くに放る。何回かその動作を繰り返した後、縄を引き寄せ、輪をつくり、丁寧にいくつかの結び目を作っていく。
一連の動きが洗練されていて、とても綺麗だ。

縄を纏わせる準備ができたのか、ベッドに腰掛けていたわたしに、立つように促す。
バスローブをとり、何もまとわず、裸のままソーマさんの前に立つ。
わたしの首に輪をかけ、少し絞ると、
そのまま胸、腹、股に縄を這わせていく。
秘部に縄がどうかかっているのか確かめながら、きゅっきゅっと縛り上げる。

次の縄を取り出し、手首を縛る。ぎゅーと縄を上に持ち上げられ、そのまま頭を挟んで、背中側に腕が折り曲げられる。胸を挟むように縄が纏わってくる。
身体が固いので、この時点で、かなり苦しい。
静かに深く息を吸い、吐く。

突然、身体を抱えられ、ベッドに仰向けに寝転がされる。
前回の縄は上半身だけだった。
今回はきっちりしてほしいと伝えていたので、次に足を縛るのは予測していた。

片足を膝から外側に折り曲げて、ふくらはぎと太ももをくっつけて一緒に縛る。
片方を終えるともう片方の足。

ソーマさんは、もう職人のようだ。
わたしの身体と縄と対話していくように、
黙々と形を作っていく。
黙って縄を纏わせていくけど、怖くはない。
だって、この縄は、ソーマさんの手であり腕なのだ。
少し垂れ目の目元は、うつむき加減なので、
なおのこと優しげに映り、落ち着き払った動作が、この縄がどのようにわたしに纏わっても、任せて大丈夫なんだ、との思いをあらためて確かなものにする。

膝を折り縛った縄に、折って捻った縄を括り付け、身体に纏わせた縄に繋ぐ。もう片方も。
足を閉じないように、両足ともそれぞれ繋げられてしまう。
恐らく、わたしの身体が固いのを考慮してか、それほど、ぎちぎちにならないように余裕を持たせてくれた。

「縄はこれで全て使った。」
ソーマさんが完成したことを告げる。

ソーマさんは、縄を全て同じ長さで揃えている。これで全てということは、6本の縄を持っているということ。
全て同じ長さにしているのは、どんな体型にも合わせるためと縛り方を同じにして単純化させるため。単純にしておかないと、何かあったときにすぐに解けないから、と初めての縄の時に教えてくれた。

仰向けに軽く丸まったわたしを抱え起こすとそのままソーマさんの膝の上に座らせる。
身体が安定しないので、ソーマさんにもたれかかる形になると、そのまま抱き止めてくれた。

しばらくすると、抱き止めたまま、片手で器用にするすると縄を解き出した。

これ以上そのままにすると危ない?と聞く。
跡が残ってしまうから、ということだった。

かけていた魔法を解くように、本当に、あっけなく次々と、するすると縄を解いていく。
鮮やかだ。
最初から解けるように縛っていると、前に言っていたな、と思う。

すべて解かれると、なんだか寂しいような心持ちになってしまう。

ソーマさんが、つっ、と太ももに触れる。
二重に纏わせた跡が、鮮やかに刻印されている。
撚れを綺麗に戻してから纏わせた縄の跡は、
とても美しかった。
きれい…、
思わず、ため息が出る。
ソーマさんも静かにその刻印を見つめている。

縄を纏う。
そのこと自体も静かで官能的なものだけど、
この縄目を身体に残しておきたいと思う人がいるのは、今なら当然のことのように納得できる。

わたしにとって、この美しい刻印は、
ソーマさんの手の跡でもあり、腕の跡でもあるのだから。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

2回目のソーマさんの縄は、わたしへの慈しみが感じられる、とても大切な時間になりました。

ソーマさんは、縄をSMに括ってしまうのは違うと思うという話もちらりとしていて、次に会った時には縄への思いも聞きたい。

ソーマさんがくれた「縄は私の手や腕だと思って受けてください」という言葉。
そこに、ソーマさんの縄への思いが全て込められているように感じています。

まだ、ほんの少しの時間なので、縄を受けて自分の身体や心が何かを感じるまではいかなくて。でも、安心感はとてもありました。読み返しているこの時間も、とても静かな気持ちになっています。
今は、ただ、美しいと思えたこの時間を記しておきたかっただけ。




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