【雑記】わたしが女風で求める快楽(4) 〈闇編〉
はじめに
◇◇◇「わたしが女風で求める快楽」共通のはじめにです。◇◇◇
わたしが女風(女性用風俗)という場、セラピストさんとともにいる時間と空間という“場”で求めている快楽って何だろう。
快楽は、きっと、そのときどき、会う人、会っている環境、わたしの身体や心の状態、初めての人なのか、何回も会ってきた人なのか、いろんなことが絡まり合って、わたしの快楽がある、というあたり前のことにようやく気付いた。
だから、ひとつひとつが、その場とその人との関係性とで違ってくる。
求める快楽も、何を快楽と感じるのかも、同じ人でも、そのときどきで、きっと違う。
会っていないときでも、何気ない言葉が快楽をもたらすこともある。
ときには、闇ですら、わたしの求める快楽になるかもしれない。
快楽の顔は、多面だ。
今回は、およそ半年前のできごとを振り返る。
女風の中で嫌な思いをしたこと、それにどう対処したかということ。
男性一般に対する思い。
そして、わたしがわたしの中に見出した闇について記す。
ようやく、公表できる形に整えられた。女風のルールから外れた話もあって、わたしの中の闇の話もあって、後味の良いものではないけれども。申し訳ない。
快楽を求めつつ、引き込んでいるのはどんな闇なのか、あらためて検証したい。
Yさんのこと(1)
およそ半年前の女風の利用の際に、嫌なことがあった。
以前にも、【雑記】で触れたこと。(【雑記】わたしが女風で求める快楽(1) 〈気持ちと言葉編〉)
性感では当たり前にあるプレイ(らしい)。屹立したペニスで秘部をこする行為。
最初にその行為をしたセラピストYさん(女風4回目の利用。4人目のセラピストさん)に、その行為をしながら何回も入れたい、入れたいと言われ、実際にずっと接触してるし(こするだけでなく、突いていたんだと思う。)、先端は少し入っていたんじゃないかとも思うし、もう、気が気じゃなかった。
それだけじゃなく、不安定な格好でまたがらせて、「バランス崩すなよ。崩したら入っちゃうよ。」と揺さぶられた。
冗談じゃない!何考えてるの!
体勢を変えて、上から見下ろして、きちんと目を見て、語気を強めて
「ダメですよ。」と伝えた。
その後、謎の笑いを浮かべて言わなくなったので、ダメと言われることがわかってのプレイだったのか?
でも、ダメと言わなかったらどうしていたんだろうと思うとすっきりせず、悶々としてしまった。
秘部をこする行為をした二人目の人はソーマさんだった(女風5回目。初めてのリピのとき)。
Yさんのことがあってから2週間しか経っておらず、気持ちの整理がついていなかった。ソーマさんもこれをするのかと感情にとらわれてしまい、途中で拒否して背を向けてしまった。
今、思うと、その行為と、Yさんに「入れたい」と言われたこと、Yさんの時に実際に少し入っていたように感じたことがセットになって、その行為自体に過剰に反応していたのかもしれない。
それに、ソーマさんから「ペニスは引くときにしか触れないし、絶対に膣には入らない」と説明されたので、Yさんの突くという行為はそもそもというか、やはり、意図的なものだったとしか思えない。
だから、ソーマさんにそんなに当たることはなかったと今は思うんだけど、その時は気持ちの収拾ができなかった。
その後はお店にも伝えたので、指導が入ってしまったし、ソーマさんには本当に申し訳ない…。
その行為自体は、お店で禁止している行為ではないので、意思確認をきちんとするように指導しますと、お店からは連絡があったし、お店に伝えたこともお二人には伝えた。
それぞれからもお詫びの言葉が届いた。
でも、謎の笑いのYさんの“入れたい”発言は伝えなかった。
Yさんのこと(2)
Yさんは、「入れたい」発言のほか、わたしがNGと伝えていたおもちゃを使ってきた。
拘束された後、ゥ゙ィーンと低く唸る電子音が聞こえた。事前にNGと伝えていたのに、なぜ、そんなものを持っているの!?目で咎めたわたしに、「なんで、ダメなの?」と聞いてきた。
咄嗟に答えたのは「屈辱」。この返事は、今から考えると本当にダメな答えで。NGと伝えていたのだから、はっきり拒否すればよかったのに。かえって、Yさんの行為を後押しすることになってしまった。
「じゃあ、こんなのに感じないように、負けないで」と笑いながら宛てがわれ、大陰唇から徐々に敏感なところに移動して「最強にするね」と言われた。
もう、こうなると意地みたいなもので、絶対に感じてなんかやるものかと歯を食いしばって全身で拒否を示した。
さすがに、この抵抗を受けて、早々に引き上げてくれたけど、にやにや笑っているYさんを、肩で息をしながら睨むことしかできなかった。何でこんなことになっているんだろうと半ば呆然としながら。
最初から掛け違いがあった。
事前のメッセージのやり取りも、挑発するような言葉に満ちていた。よほど、自信のある人なのかなと思ったほど。ソーマさんの言葉とは対極にあるような言葉。
当日、部屋待ちの間、話をしながら、清潔感があって顔形も好みなYさんに、わたしは精一杯の笑顔を向けていた。斜に座りあまり顔を正面から見てこないYさんは、メッセージでの挑発的な言葉から受ける感じと違い、違和感があったけど、実際は照れ屋さんなのかな、と思った。
エレキスから部屋に入り、身体を壁に押さえつけ、すぐに始まった性感。わたしが身に着けていたものや視線に挑発するようなものを感じたらしく、ぽそっと、「興奮させて悦ぶタイプかな」とのつぶやきが聞こえた。
違います〜!わたしが気持ちよくなりたいんです〜!あなたが喜ぶとか興奮するとかどうでもいいんです〜!と言えばよかったのだけど。
独り言のようにつぶやかれたので、敢えて否定しなかったのを後悔した。
自分が満足できる施術を受けるために、セラピストさんが前のめりで施術してくれるように、そう思って準備して臨んでいただけなのに。
いいようにされている。わたしの気持ちは完全に無視されている。Yさんが自分のやりたいことをやっているだけ。悔しさしかなかった。
置かれたカードがパタパタと返されていくように、当初の期待が裏返っていく。
ただ、その場では流れに合わせていくしかなかった。入れたいという発言の上に、ユーザーの意思を無視した行為。
後、少しの時間を何事もなくやり過ごせたらいい、自分の気持ちに敢えて向き合わずにいた。
思えば、部屋に向かうときに、わたしが間違って開けたドアが非常階段に続いていたんだけど、このまま逃げなさいという何かの啓示だったのだろうか。
欲望のバランス
最初は、嫌なことを押し流そうとしていた。会った後、お礼のメッセージを送ったときも、はっきりとは書けなかった。
全てが嫌だったわけではない。
行為のほんの一部のこと。
気持ちよかった瞬間があったのも確か。
でも、嫌だったことがあったのも確か。
時間が経つほど、
嫌だったことのほうが大きくなってくる。
また、合わせちゃったなぁ。
何で、その場で言えないのかなぁ。
自分自身への不甲斐なさと情けなさも、同時に大きくなってくる。
そんな思いを、このnoteの女風ユーザー友に打ち明けた。その人の記事とは全然関係ない話なのに、書いていいよの言葉に甘えて、延々と書き連ねた。親身に話を聞いてくれてやりとりするうちに、いろんな視点から考えることができた。本当に、この時に話を聞いてくれたことに救われた。ありがとう。
思い切ってYさんに苦言を伝えてみたところ、しばらくして返信が来た。
返答のメッセージを読んで、身体がかっと熱くなった。
わかっていないと思ったから。
同時に、そこに描写された自分の姿に自分で昂りを覚えたから…。
あなたが身体をさらしたんだよね?
挑発してたよ。
行き違いがあったのは申し訳ないけど、
僕は愉しませてもらいましたよ。
僕は愉しかったし、
あなたも僕の行為に悦んでいたじゃない。
また、愉しみましょう。
そんなふうにしか受け止められない文面だった。
快楽を求める場で、
簡単にバランスは崩れてしまう。
わたしが求めていたはずなのに
相手の欲望の対象になってしまう。
相手の欲望に屈してしまう。
大好きなお店のセラピストさんだったから、なおさら悔しい気持ちになった。
男性が怖いという感情
わたしは、男性のことを心の底では怖いと思っている。特にプライドを傷つけられたと感じている時の男性は怖い。
身近な父親や夫が劣等感が強く、そういうタイプだから、なおさらそう思ってしまうのか。
大声をあげたり、ものを投げつけたり、乱暴したり(以上、父親。ちゃぶ台返しも時にあった(笑)。台所の扉には物が当たって凹んだ跡とか。昭和だね。)、大声も乱暴もないけど、ヒヤッとする態度をとったり、言葉が氷の刃のようだったり(夫)。
向き合ったとき、怖いと思った時点でわたしは負けている。精神的に組み敷かれる。幸い、肉体的に組み敷かれるような経験はなかったけど、でも、そういう場面になったら容易に組み敷かれてしまうだろう。
頭を低めて、嵐が過ぎ去るのを待つことしかできない。
男性が怖いという刷り込まれた感情を増幅させたのは、WEBで垂れ流されているエッチな話を読むようになったこともおおきな要因。普通の人が豹変してしまう。普通に生活していた人が巻き込まれていく。かなり偏った話が集まっているのだろうけれども、もともとの怖がりが増すばかりだった。(それでも、読んでいるんだから歪んでるよね。)
疼く身体を満足させるために、女風を利用しているのは、プロの男性は、そういう女性の気持ちもわかってくれるだろうし、そもそも、怖がらせるようなことはしないだろうと思ったということもあったから。セラピストさんに面と向かって、「本当は男性が怖い」と言ったことはないけど。たぶん、言われても困るだけだろうから。
わたしは甘えたいのだと思う。
素の自分のまま、何をしても、何を言っても、安全なんだ、安心なんだ、と思いたいのだと思う。
そして、素の自分を、性癖も含めて受け止めてもらいたいのだと思う。
男性にすっかり自分自身を預けても大丈夫と思いたい。
“怖い”という思いを克服したい。
“怖い”という思いを、男性自身の手で拭い取ってほしい。解いてほしい。
Yさんとの事前のやりとりの中で、(セラピストさんの)欲望の下敷きになりたい、とか書いて送っていた。
でも、セックスの中で、犯されたい、
辱めてほしい、拘束してほしい、
組み敷いて、自由を奪って、好きなようにしてほしい、という願望は、あくまで、わたしのイメージの中での話。
それは、恐怖や痛みのない世界で、わたしが快楽を追求する上でのイメージ。
そのイメージを実際の行為に移す中で、わたしが相手のことを少しでも怖いと思ったら、それらは、わたしのイメージから離れた、現実の暴力になってしまう。
その微妙なラインを、プロの人なら分かってもらえるだろうと判断したから、女風を利用している。
怖さを少しも感じることなく、わたしの願望をうまく解釈して形にしてもらいたいのだ。
みなさん、優しすぎて、実際にはそこまで濃厚なことは誰もしてこなかったけれども。そんなに踏み込んではきてくれない。意外にも、淡白だなと思うことが多い。
勘違いしている人はいたかも、だけど。
怖いと思ったこと
女風の場でも、怖いと思ったことはある。
Yさんは何を考えているかわからない怖さ。
女風デビューの時のセラピストさんにも、違和感を感じた。2日続けての予約で、2日目に前日の感想を聞かれたときのこと。
「淡白に感じた」と伝えたところ、予想外という感じで、少しムッとされた。ほんの瞬間。本人も意識していなかったかもしれないけれども、わたしの脳には危険信号がくるくると点った。
そう言われるのって嫌だったんだね。
なんだか、その後も素では言いたいことが言いにくくなってしまって、結局会話に流れてしまったのだ。
伝えることの難しさ
性癖を測るBDSMテストというものがある。
BDSMテストでは、何度しても100%になるサブミッシブとロープバニー(拘束されることを好む性癖)。でも、それをそのまま言う事の怖さはある。
勘違いされると困るのだ。
М度は低い。slave度もそれほど高くはない。痛いのは嫌、ご主人様が欲しい訳ではない。これって、一般的なサブのイメージとは異なるように思う。
委ねたい思いはある。でも、支配されたい、好きなようにされたい、欲望を感じたいという思いはあるような気もしつつ、何かが違う気もする。抑圧されたいわけではない。
どちらかと言うと導いてほしい。わたしの形を彫り出してほしい。快楽の世界に優しく、ときには強引に招き入れてほしい。委ねながら、わたしはわたしのまま自由になりたい。その世界で解放と自由を感じたい。
まだ、自分自身ですらも正確にはわかっていない性癖。わたしの形を見いだしてくれる人なんて永遠に現れないようにも思ってしまう。
ソーマさんとの初回のやりとりの時には、何に快感を感じるのか、自分でもわからないこと、うまく伝えられないことを伝えていた。女風デビューで自分の壁として感じたことを延々と書き込んでいた。
そのこともあってか、ソーマさんはわたしを「固結びの紐」と喩えた。
伝えきれたとは思っていないけど、全て理解してくれたとも思っていないけれども、「固結びの紐」という言葉に、わたしが凝り固まっている、頑なになっているところをわかってくれたと思った。固結びの紐の中に何が隠されているのかはわからないだろうけれども。
通じたと思えた、そのことが嬉しかった。わたしの縄師さんであり整体師さんは、会う前から言葉で縛って、解きほぐそうとしてくれた。
でも、今度の4回目。回を重ねるごとに伝えにくくなっているところもあるように思う。思い込んでしまったこともあるように思う。相変わらず、自分をどう委ねたらいいのかすらわからない。
目を見て、飛び込みたいとは思っているけど。委ねるだけじゃなくて、ソーマさん自身を感じたいとも思っているけど。
紐解くことの難しさ
固結びの紐の中に何が隠されているか…、と書きながら、自分が心の中で握りしめている刃で傷ついた、掌から流れる血を舐めてほしいという妄想があることに気付いた。
自分自身でも、ぎょっとするような、戦慄するような妄想。
男性に対して持つ、怖いという感情だけではない、もっと、屈折した感情。
以前に、詩の中でも書いていた。
甘えたいと書いたが、実際には甘えられない。甘えきることができない。この詩のように、心の奥で、刃を握りしめているような思
いがある。
そんな思いを瞳に宿してしまい、Yさんには挑発と、受け止められたのかもしれない。
でも、その刃は自己の尊厳を守る懐剣でもあるのだから。
裸になって身を委ねても、重ね合っても、心の中で手放せないものだから。
でも、その懐剣が快楽の邪魔をしているというのなら、ソーマさんをそのまま感じることを妨げているというのなら、会っている間だけは横に置いておきたい。
横に置いていても大丈夫なのだと、あなたの瞳を見てそう思いたい。
わたしが、男性と関わる中で知らずに身に染み込ませていたものを、虚構の世界とはいえ(だからこそ、か。)、女風の世界は暴いてしまうのだろうか。解放してくれるのだろうか。それをも、快楽に変えてくれるのだろうか。
その時、わたしはわたしの形になれるのだろうか。そこを通り抜けないと、わたしはわたしの形になれないのだろうか。
それは、叶えられることが怖くもあり、願いでもあるような、祈りに近いもの。
ダメと言えた
Yさんに「入れたい」と言われた時に、きちんとダメだと伝えられたこと。
ダメだってきちんと言えた。
ごまかさずに言えた。
そのことが、女風を続けていく支えになりそうな気がする。
おそらく、女風デビューの時だったら受け入れてしまったかもしれない。
何十年もセックスをしていない身体が欲していることに逆らえなかったと思う。
ダメと言えたのは、このノートで、女風ユーザー友と出会えたことが大きい。
挿入がなくても、セラピストさんの技術だけで快楽には出会える。その確信があるから。
挿入行為は、わたしが女風で求める快楽を、相手の快楽にすり替えてしまい、求めていた快楽を手放してしまうことになるから。
自分の闇
Yさんに苦言を伝えた後の返答には、行為の時のわたしの姿が事細かに描写されていた。
何の意味があってそんな描写を送ってきたのか真意はわからないが、おそらく、自分が「入れたい」と言ったことが、わたしに挑発されてのことだったと、言いたかったのか。
わたしは、身体を熱くさせながら、その文章を凝視していた。
こんな姿だったのか…。
こんなふうに思われていたのか…。
こんな文章に、メッセージで曝された自分の姿に興奮を覚えるなんて。
歪んでいると思った。
これは、自分の闇だと思った。
でも、もっと知りたいと思ったのだ。
そうして、Yさんに書き送った。
貶めるつもりなら、存分に貶めたらいい。
最後まで書き切れるものなら書いたらいい。
Yさんからは「承知しました」と返答があった。
だけど、結局、わたしが、運営者さんに苦言したためか、最後まで送りきってくるまで返事はしないと決めていて何も返答しなかったからか、このメッセージも告げられると困ると思ったのか、送られてきたのは2回だけ。最初の、ほんの10分間程のできごとの描写のみ。
もう、全て、電子の海に押し流してしまった。
Yさんとのやりとりは全て。
闇だと思うことにとらわれている自分自身をどうしたらよいか、手に余ってしまった。
闇も快楽になるか
闇も快楽になるか。
それは、まだ、答えが出ていない。
もし、Yさんが、ずっと送り続けてきたなら、Yさんから見た自分の姿にとらわれてしまったかもしれない。
それが、何をわたしにもたらすことになったかはわからない。
でも、今は、切れてほっとしている。
闇は出会わないで済むのなら、それに越したことはない。
その闇に対処できるだけのものを、まだ、わたしは持ち合わせていない。
わたしは、まだ、わたしのことがわからない。
刃を握りしめたまま頑なになっている心も。
何が、わたしにとっての快楽かも。
自分の中の闇にも。