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鬼さんこちら 手のなるほうへ  poetry 11篇



冷たい雨が煙る  青磁色の街
路地裏を 
駆け抜ける 黒猫


家路を急ぐ 人たち
軒下に しがみついてる  雨垂れ


それぞれの 居場所を
確かめながら


誰もが 今日を 生きている


街灯に  僅かな影灯し
夜は   あえかに  目を瞑る


あの日の僕を  置き去りに



******


キライ  キライ
好き、、、、、


嘘を ついちゃ  いけないよ


ライオンが
大きな口を    あけている


週末のサガン
痛いくらいに   キスしてくれる?


rely  on                rely     on


あなたに
あたし      rely      on



******


不意に  激しくなる雨音に
繰り返す 夜の輪郭をなぞる


長い夢から  目覚めたように
気まぐれに  僕を抱く君と


薄い銀紙の  チョコレート


剥がれ落ちる
褐色の吐息


音のない夜に  くるまって
熱のない音に  くるまって


不意に    静まり返る雨音に
繰り返す   僕のリグレット


******

光をうけた花々が
光をうけて


萎れてゆく


優しき絶望の雨よ
触れ


もう少しだけ
君に触れ


咲いていたいのです


******


今宵  月はトンガリ

僕は  君を欲しがり

届かぬ  love  song    
綴る


窓辺で  ジンライム
痺れる  jive



夢のなかでも  君の姿は
遠ざかり


******


気まぐれで  ツレナイ態度を
嘆いてみたり


行き場のない 想いを
持て余してみたり


けれど
君を 嫌いになんて  なれないよ


小さく折った紙飛行機
銀色のすべり台    飛ばせてみせた


短絡的な思考を
砂場に 濁しては


夏虫の行方を 目で追った


ジリジリ 舌の上に
焦げついている


マーマレードの  恋模様


******


朽ち 朽ちて  土に還れし病葉も
麗麗と


仄かに  秋 薫らすならば


金の糸   銀の糸


織りなす  風の 語らいに

ただ    その身を委ね
瞼を    伏せる


一筋の光  雲のみち

鬼さん   こちら
手の鳴る  ほうへ


******

ふんわり  ふんわり
花びらのせて  漂う 花いかだ


舞い散る    幾千の飛花


薄紅色に   ひかり映せば
あの日の   ふたり 蘇る



ゆうらり   ゆうらり
時の小舟に  誘われて


君を想えし   春の日か


******


歪んだ青空   朽ち果てた廃屋
瞼の奥には   震えた肩


愛し方  不器用で
そんな君だから   愛しくて


ダメね
離れ方も   分からない


真夜中の砂時計
鳥かごに翳した  青いブローチ


どこまで続くの
ふたり 揺らす   螺旋階段


******


朱に染まる  鬱金香

時の狭間に
惑わされ


誰もが  悲しみ競う


あの子が欲しい
この子も欲しい


はないちもんめ


彷徨える  鬱屈よ


遠い空
見上げれば



見知らぬ使者が
降りて来そうで



******


素肌に纏う  波の音
夏の雫に   きらめく漣


ひと   寄り添いて
生きること


ふたり  縒られて
強き   糸


旅立ちの  入江
朝日を   待とう




・*:..。o○☆*゜







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