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氷が溶けちゃうよ

日本に帰国した際、このような自販機のサインを見かけた。

『温暖化が進むと氷が溶けちゃうよ!』
と書かれたプラカードをしろくまが掲げているものだ。

これを見てなぜ自販機にこれが貼られているのか、このメッセージの意味合いがよくわからなかった。

調べてみると節電対策のために一時的に冷却停止をしているので節電になるそうだ。電球もLEDに変えノンフロン自動販売機の導入促進による地球温暖化防止への貢献なんだそうだ。しかもこれを導入したことにより日本コカ・コーラ株式会社は平成24年度省エネ大賞「省エネ事例部門 省エネルギーセンター会長賞」を受賞したそうである。

しかし温暖化を進めているのはまさにこのような自販機の氾濫も貢献しているのに、氷が溶けちゃうけど、この自販機の利用は省エネ対策をしているので、大丈夫ですよ、省エネセンターの会長さんからもお墨付きですから。ということなのか?そんな賞をつくって、表彰式やそのパーティを開催していることも無駄である。こんな矛盾したメッセージに静かな怒りを覚えた。
自動販売機の存在自体が地球温暖化促進なのではないだろうか?

日本のどんな田舎でも50メートルごとに自販機がある。それって必要?微量でもコンスタントに電気を使っている機器、例えばトイレのシートなども日本中のほとんどのトイレで使用されているから電気の使用量は相当なものであろう。

他にも日本のブログやYouTubeを見ているとこんな記述をよく目にする。

オーガニックの食品や、化粧品、サステイナブルな生活を推奨する女優が旅行に行く時には「こんなふうに使い捨ての個別パックに入れてまーす。」

こんまりが「床掃除は使い捨てのティッシュを使ってます。衛生的だし、掃除道具を増やすのが嫌だから。」

「夫婦二人の暮らしですが、少量でも洗濯機は毎日回します。」

日本にいたらあーそう、で済まされる話であるが私には全てカチンときた。

最近ではヨーロッパでは一度しか使えないプラスチック容器の廃止が進んでおり、以前仕入れたものが残っているからと使おうとすると白い目で見られる。暖かいトイレシートは他人の使用直後で気持ち悪い感覚の代表である。

日本には伝統的に衛生を重んじる習慣があり、ゴミも埋め立てて土地が増えたりしているから罪悪感どころか、使い捨てること、必要以上の清潔感も美徳であるのだろうが、少なくともコカコーラにはあの文言を以下のように変えてほしい。

『温暖化が進んでいるので氷が溶けてるよ!』




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