ある訪問者Part2
チャイムが鳴った。
私は、のぞき穴から外を確認した。
「○○の方からきました。××です。」
手にはタブレットを持っている。
○○とはうちのご近所。
ご近所からタブレット持参で何のご用か?
タブレット持参で訪問する用のあるご近所さんはいない。
私は、今回も対応せずにお帰りいただいた。
その○○の方からきた人は、次に下の階に下りてチャイムを鳴らした。
ここ最近、何だか物騒な訪問者が続いている。
○○の方。
便利な言葉だ。この言葉に人はコロッと騙される。
昨日、テレビを観ていたら老人介護施設の名義貸しサギで脅されて
お金をだまし取られる高齢者が増えていると言っていた。
入居の権利があると嘘の情報を流し、それを転売(名義貸し)しないかと囁く。あるいは入居権を譲ってよいか?と囁く。
その後はありきたりのパターンで、登場人物がコロコロと変わり混乱させる。そしてお金を払うように仕向けてだまし取る。
人は何故騙されるのか。
前回私は、欲があるからだと書いた。
加えて、恐怖やメンツに支配されるからだと思っている。
警察署、裁判所などの名前を出されて困るのは騙す方だけど
騙す側はこれを逆手にとり利用する。
真面目に生きてきた人ほど、これらの言葉に弱い。
今まで築き上げてきた世間体が一変することに怯える。
世間体が将来の年金を支払ってくれることはない。
私なら、わなわなと怯えた振りをして、「何せ無知なので、消費生活センターか警察に相談してからでよろしいでしょうか。」と答える。
その後いくら脅されても、「頭がパープリンなのでまずは相談を・・・」と繰り返す。
大手企業の名前とか、大きな組織の名前を出す時点で怪しい。
色々な人が色々な形で騙される。
世間体、警察、裁判、社会的信用を巧みに利用される。
逆に考えると、騙されないコツは簡単に見つかっているように思うが。
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