意外な夫の一面
はじめに・・・
今回の台風で、被害に遭われたみなさまへ心よりお見舞い申し上げます。
私の夫は、野良犬のようで、誰にも懐かず、いつも牙を剥き出して歩いている。
時には戦国武将の様に、向かってくる人には刃を向けて、
大正生まれのような考え方で、
いつもガルルルル・・・と聞こえてきそうな勢いで生きている。
味方にしておけば良いけど、敵にすると厄介だ。
玄関のドアを閉め忘れた日には
振り向いたら、もの凄い形相で怒っている。
防犯意識が高く、いつも家を出る時には
鍵のチェック、窓のチェックは欠かさない。
だから、準備が遅い。
彼の田舎の家なんて鍵すらないのに・・・。
(今の時代・・・ないって・・・)
先日の台風で隣町の断水が続き、助産師会で何かできないか?ということで
助産院や自宅を解放してシャワーや洗濯、水を汲むなど
できる人を募集した。
私は、普段自宅にいるし、困っている人がいたら助けたい!と
常日頃、思っているので、助産院は開設していないけど、
使ってください!と手を挙げた。ただの賃貸アパートだけど、
水は出る。
「知らない人を家にあげるな!!!!」
と夫に反対されるかと思ったが、意外とすんなりと
「やれば?」
と言ってくれた。
「知らない人を家にあげても良いの?」と聞くと
困っているのに助けない方がおかしい!!
と、まともな事を言っていた。
あぁ、良かった。
そう言えば、彼の実家は人が集まってくる。
鍵がかかっていないので、いつの間にが誰かしら上がり込んで
食事して喋って帰っていく。
親戚らしいが、親戚が多すぎて覚えられない。
人が来るのは不思議ではないのだろう。
そして、彼も旅が好きで、コロナ前は年に3回ほど
点々と行きたいところにバックパッカーの様に行きまくっていた。
昔、グルジアは宿がないから、
知らないばぁさんの家に泊めてもらったと言っていた。
私も海外で友達になった現地の人の家に転がり込んだり、
ホームステイさせてもらったり
いっぱい助けてもらってきた。
人はふと日常とは違う出来事が起きた時に
その人の価値観に触れることができる。
今回の出来事で、知らなかった夫の一面を知ることができた。
「土日は使ってもらったらダメ?」
と2回くらい確認したが
「ダメ!!!」
と。自分の生活に入って来られるのは嫌らしい。
できる時にできることをしていこう。
周りを頼りながら。
助産師会の皆さんたちの仕事の速さや連携力に脱帽。
いち早く困難な生活をされている方が一人でも減りますように。
※ 絵を使わせていただいたKajimoto様 ありがとうございます。
この場をお借りして御礼申し上げます。ちょっと夫に似ていたもので
使わせていただきました。