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2024年上半期 ハマった曲①

前置き

先日youtubeにてとあるゲーム実況者の動画を見ていたところ、
その方が「自分の好きはどんどん発信するべき」といった主旨の発言をされていて、なんだかその言葉が妙に印象に残っているため僕も自分の好きなことについてnoteを使って今後色々発信してみようかと思う。

僕は無名ながら自分でオリジナル曲を作って活動していることもあり、
そういった"既に商品ベースで世の中に出ている作品”について何かを発信することで”結果的に自分の作品の売名行為をしている”と捉えられるのが(その作品が好きだからこそ)一番嫌という考えが心の奥底にうっすらとあったのだが、前述の発言であっさりと「それもそうか」と納得してしまったのである。
(そもそも無名のくせにそんなこと考えること自体が思い上がりかもしれないが笑)

この記事を読んで興味を持ってもらえて、その曲の良さを知ってもらうことに貢献できたら嬉しいという感じ。

ということで人生の記録的なイメージで、
「2024年上半期でハマった曲」をテーマに記事を書いてみることにする。
あくまで2024年の上半期に自分がハマった曲なので、2024年以前に発表された曲がほとんどです。あとぶっちゃけ2023年にハマった曲もあります。
そして敬称略であることを予めご留意ください。

(尚、自分の曲についても今後別の記事で「自分で作った曲をひたすら自画自賛しまくる記事」を書いてみようかと密かに思っている。気が向いたら)


守ってあげたい/鬼束ちひろ

2002年12月発売
Queen's Fellows:yuming 30th anniversary cover album」収録

ご存じユーミンこと松任谷由美の楽曲の鬼束ちひろによるカバー。
原曲は少しポップ目のアレンジなのに対しこちらのカバーはピアノとアコギとチェロがメインの落ち着いた聞かせるアレンジなのだが、
それが鬼束ちひろの丁寧で儚さを含んだ歌声に見事にハマっていて一発で好きになった。
なんというか原曲(ユーミンバージョン)の雰囲気は無邪気に遊んでいる子供に向けてお母さんが「守ってあげたい」と歌っているようなイメージなのだが、鬼束ちひろバージョンは、漫画:最終兵器彼女みたいに世界が崩壊して最後の生き残りになった二人がいて、そのうちの一人もいよいよ息絶えてしまうけども、この世界で一人生き残るあなたを守ってあげたいっていう場面が思い浮かぶ。特にサビ前で入ってくるチェロがとにかく最高。
鬼束ちひろさんのカバーは他にもあるけどどれも良い。
この曲の他には山口百恵の「良い日旅立ち」のカバーである
「良い日旅立ち・西へ」もとても好き。
こういう「歌声だけで世界観を作れる」声がとても好き。


VS(LIVE 2019/09/08)/ポルノグラフィティ

2019年7月発売「VS」収録
※本記事で語るのは2019年に各種サブスクで配信されたライブアルバム
NIPPONロマンスポルノ'19~神vs神~”DAY2(LIVE)
に収録されたライブバージョン

ポルノグラフィティの記念すべき活動20周年のタイミングで、
50枚目のシングルとして発売された曲。
恐縮ながら自分はポルノグラフィティについては好きだけどニワカで、小さい頃に行った家族旅行中、姉が車の中で延々と「アゲハ蝶」を流していた記憶や、ドラマとかアニメの主題歌などで「ヒトリノ夜(GTO)」、「メリッサ(鋼の錬金術師)」、
Mugen(2002年日韓ワールドカップのテーマソング)」や、
アポロ」、「ミュージックアワー」、「愛が呼ぶほうへ」、「サウダージ」、「ハネウマライダー」などの有名な曲を知っている程度で、その他には姉が車の中で流していたCDに収録されていた曲ぐらいしか知らなかった。
ある日サブスクで久しぶりにポルノを聴こうと思ったところ本曲が収録されているライブアルバムが配信されていることを知り、見事にハマったのである。

まずはこの曲について語る前に、ポルノのプッシュプレイという曲を聴いてほしい。

プッシュプレイ 2005年発売「THUMP」収録
スタジアム・ロックを歌った楽曲で、自身初のスタジアムライヴ『横浜ロマンスポルノ'06 〜キャッチ ザ ハネウマ〜』でも披露された。また、タイトルの「プッシュプレイ」とは、歌詞にもあるように「(ライブビデオ)の始まりのボタンを押す」という意味がある。

wikipediaより

上記の通り、プッシュプレイという曲は要約すると「憧れのミュージシャンのライブビデオを見ている少年」が主人公の楽曲であり、歌詞の中に
あのロッカー、まだ闘ってっかな?」 (「プッシュプレイ」の歌詞より引用)
というフレーズが頻発する。

これを踏まえた上で「VS」の歌詞を見ると、

そうか あの日の僕は今日を見ていたのかな
こんなにも晴れ渡ってる
バーサス 同じ空の下で向かい合おう
"あの少年よ、こっちも戦ってんだよ"

VS/ポルノグラフィティ より

というフレーズがあり、「プッシュプレイ」の少年に対する14年越しのアンサーソングとなっている。これが本当に粋な演出で、最高に感動する。
これは憶測だが、プッシュプレイでミュージシャンのライブビデオを見ていた少年とはまさに作詞者である晴一さんのことであり、いざポルノグラフィティという自身のバンドがデビュー20周年を迎えてもなお、昔自分がビデオで見ていた憧れのミュージシャンと同じようにスタジアムやドームの舞台でライブをしていることについて、「そうかあの日の僕は 今日を見ていたのかな」と、過去の自分と対峙(VS)する形でメッセージを込めているのではないかと思う。

そして僕が記事の見出しをあえて「VS」という曲のタイトルだけではなく
VS(LIVE 2019/09/08)」と表記したのは当然理由がある。
この「VS(LIVE 2019/09/08)」とは2019年9月7日~8日に東京ドームにて行われたポルノグラフィティ20周年記念ライブ
NIPPONロマンスポルノ'19~神vs神~”DAY2(LIVE)」の音源が収録されているいわゆるライブアルバムの中の1曲なのだが、なんと1曲目が「プッシュプレイ」で始まり、本編ラストを「VS」で締めくくっている。
さらに、「VS」のラストではCD音源にはないアレンジが加えられていて、
通常の音源通りエンディングを迎えると思いきや、プッシュプレイのイントロのリフに戻り上記の「あのロッカー、まだ闘ってっかな?」のワンフレーズを追加で歌って終わるのである。
この演出はニワカの自分でも本当に感動したし、2005年のプッシュプレイリリース当初から聞いていたファンの方にとってはこの上ない最高の演出だったんじゃないかと思う。

余談だが、NIPPONロマンスポルノ'19~神vs神~の「神vs神」の意味は「神セトリvs神セトリ」という意味らしく20周年にふさわしい、ニワカの僕でも十分楽しめるセトリになっていて、なんとDAY1,DAY2両日の音源がサブスクで配信されている(太っ腹!)。
かなり素晴らしい演奏が堪能できるのでライブアルバムとして非常にオススメである。特にDAY2の「THE DAY」のギターソロ前の昭仁さんのハイトーンシャウトは必聴。
その他にも、例えば「愛が呼ぶほうへ」はDAY1ではホーン隊によるアレンジで、DAY2ではストリングス隊によるアレンジといった具合に、同じ曲でも大胆にアレンジが変わっていたりして違いを楽しめる。
今回紹介した「VS」に関しても、前述のラスト「あのロッカーまだ闘ってっかな?」の部分でリット(だんだんゆっくりになること)するバンドに合わせて昭仁さんが歌うのだが、DAY1は途中でブレス(息継ぎ)を入れていたのに対し、DAY2では一息で歌っていて、たった1日で一息で歌えるよう修正したのかな?プロはすごいな・・・!なんて思ったりもした。

今年ポルノグラフィティデビュー25周年を迎えた記念の一環として、公式のyoutubeにこのライブの「プッシュプレイ」と「VS」の映像がまさにピンポイントで公開されたので是非とも見て欲しい。

VSの最後に写る観客のお姉さんの表情に泣かされそうになる・・・

さらにさらにこの「VS」という曲は、他にも色んな要素を含んでいる。

テレビアニメ『MIX』のオープニングテーマとして書き下ろされた楽曲

メンバーは共に"あだち充チルドレン"を公言しており、詞曲を手掛けた新藤は普段のタイアップソング制作では資料を読み込まないというが、今回に限っては原作を一気に最後まで読んだと振り返っている。
歌詞の中に下記の人物名が登場する。
「あれは遠い夏なつの日の」:夏野なつの一番
遥はるかばかり見みた」:大山春夏はるか三田みた亜里沙三田みた浩樹
問とうまでもないだろう」:立花投馬とうま
「それは夢の羽音おと 耳みみに残ってる」:立花音美おとみ
そう一いち縷の想い」:立花走一そういち

なお、岡野はこの歌詞のギミックを知らず、2022年夏頃にファンのツイートで気づいたという。岡野はこれが偶然だと思い、新藤に「歌詞に名前入ってるって知ってた?」と確かめたところ、「まぁ、入れたからね」と返答されたという。

wikipediaより
(この昭仁さんのエピソード面白い)

ジャケットデザインも凝っている

ジャケットのデザインはポルノグラフィティのメジャーデビュー20周年とデビュー作「アポロ」でも描かれたアポロ11号月面着陸50周年にちなみ、アポロ11号の打ち上げをメンバー2人が観衆と共に見上げるシチュエーションが描かれている。

wikipediaより
※ジャケットの画像をNoteに貼るのが著作権的にOKなのか良く分からず載せてない

MVも感動的

MVは岡野と新藤が別の場所から歩き始め、最終的にライヴハウスに合流するというもので、左右の画面がそれぞれワンカットの映像となっている。
道中では岡野が通りかかった子供たちに食べかけのクレープを取られたり、新藤が知り合い役の阪井一生flumpool)に出会ったりするといった細かな仕掛けがある。
撮影はメンバーが上京したての頃に住んでいた下北沢で行われ、最後に岡野と新藤が合流するライヴハウス・CLUB251は上京後初ライヴを行った会場である。

wikipediaより
いきなり現れたキッズに買ったばかりのクレープ持ってかれる昭仁さんが面白すぎる


このように、「VS」という曲は1曲の中に本当に様々な要素が取り込まれた楽曲でありながら、どの要素においても各々主張しすぎることがなく、そういった背景を何も知らない人が聞いてもわかりやすいフレーズですっと胸に響く形で丁寧に作られている。個人的にはそこがすごいと思う。
僕はこのライブアルバムでポルノのライブに行ってみたくなり、ちょうど今年、ポルノグラフィティデビュー25周年記念ライブ「19thライヴサーキット "PG wasn't built in a day"」に参加することになる。
そこでまた新しい曲にハマるのだが、長くなってしまったのでそれはまた別の記事で。


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