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ekakinonakagawa
箸休め「ピアノマン」を読んで
つい、他人にはつまらない身内話が多くなってきてしまうのはやはり歳をくってきてるからなのだろうか。
昔話は老害の素だと考える。そんな年齢に差し掛かっているからこそ…
ブルージャイアントの登場人物達の輝きが僕にはとても眩しく感じる。
漫画の主人公は大。
だが、ピアノマンでの主人公は雪祈。漫画を読んでいる側としては結末を知ってるが故に彼の背景を知っていく作業は涙のダムを溜めていくような事だった。
残りページが少なくなるにつれ、どこまで描かれてるのかが不安になる。話が上手く転がるにつれ、結果を知ってるにも関わらず、胸に湧き上がる気持ちにたまらなくなる。
最終章「6章」は読みたくなかった。
悲しさや寂しさの再認識だけなら救われない。
が、やはり事故は起こる。文字はそのおぞましさを表す。もう、涙のダムは決壊。
雪祈の右手は、僕の頭蓋骨と同じだ。僕は目が覚めた時頭蓋骨が部分的に取り外されていた。あの時の絶望感…いや、絶望と同じだ。
治ると言うことが、これまでと同じにまでに回復すると言うことではない事が自分自身の状態から、失ったものへの感覚から感じる確かな手応え。
ないものはない。そこから20年以上の年月を経た僕はそんな気持ちも持っていられるが、果たしてその瞬間から腹を括れるだろうか。
結局のところ、言葉を尽くしたところでこの心震えた瞬間を誰かに与えられる事は出来ないので、本を勧めるに着地するしかない。
大ほど真っ直ぐ太く生きてはいないが、それなりに逞しく!