デザイナーの職場待遇って特殊なの?
デザイン系の学校とは縁もなく、
最終学歴はマイナー国公立大学
外国語学部卒 の海山すなです。
未経験からスタートしてはや20年。
デザイナーになってからのアレコレを
思いつくままに記していきたいと思います。
駆け出しの頃の待遇面や職場環境については
同じ業種以外のひとに話すと心配されるので、
今まであまり多くは語ってきませんでしたが(汗
今回は私がデザイナーとして働き始めた
一社めと二社めの職場環境・待遇についてです。
誰かの何らかの参考になれば良いのですが。
デザイン事務所編
多くの場合、繁忙期のデザイナーの
労働時間は長時間に及びます。
求人情報に記載の就労時間などについてはもう、
信じる信じないの世界かと。
もちろん残業代が出るところもありますが、
その多くがひと月いくらと決められた
固定残業代(みなし残業)で、
適正報酬でないことが多い、
というのが私個人の実感です。
とはいえ、おもしろい手当もあります。
私が一番最初に飛び込んだデザイン事務所は、
毎日モーレツ残業が当たり前の職場でしたが、
残業代は全くなく、←
その代わりに夕食代が1人1日当たり
1000円支給されていました。
※20年前の話なので時代を感じてください。
各自デリバリーやコンビニ、ファストフードなど
好きなものひと通りを毎日食べていました。
しかしどんなに美味しくても
そのうち心底飽きてきます。
そこで皆の要望で炊飯器を導入してもらい、
事務所で自炊するようになりました。
これがけっこう気分転換になって良かったです。
(社長が料理担&各自で後片付け)
特殊な待遇はそれだけではありません。
職場の片隅に2段ベッドがあり、
繁忙期は時間交代制で2人ずつ
仮眠をとるようにしていました。
少し潔癖症なところがある私だけは、
誰も使っていないマッサージチェアで
仮眠をとっていました。
常に誰かが仕事をしているため、
キーボードやマウスのPC音が心地よい子守唄でした。
2段ベッドを使うのは1年のうち3ヶ月ほど。
10月後半から12月後半の2ヶ月間、
プラスそれ以外の仕事で小刻みに
合計50日ほどが、泊まり込みになりました。
総員7名の少人数事務所でしたが
家族みたいで楽しかったです。
※あ、言い忘れていましたが
もちろんボーナスとかは一切ありませんでした。
広告代理店編
次に転職した先は広告代理店でしたが、
泊まりはほとんどない代わりに、
日付が変わってから帰宅する毎日となりました。
そこでは1ヵ月50000円程度の
固定残業代(みなし残業)が出ました。
適正とはいえませんが、
それまでゼロだったことを思えば
貰えるだけありがたいことでした。
ボーナスも1.5ヶ月分ほどありましたし、
年収はデザイン事務所より大幅UPしました。
また、残業代とは別に、1人
1日100円の夕食補助費が出ました。
100円って、、、と今でも思いますが、
出るだけ感謝です。
(ほとんどはおにぎり代に当てました)
以上のような調子だったため、
最初のデザイン事務所と次の広告代理店、
合わせて3年くらいでほどほどの限界がきました。
(この後の転職でかなり楽になれました)
それでも部活感覚で、キツいながらも
わりと楽しく過ごしていました。
しかし、この頃していたようなことを
「もう一度今しろ」と言われても、
もう出来ないと思います。
というか、もう二度目は嫌です。一度で十分です。
この辺の課程は30代のまだ体力のあるうちに
済ませておきたいところです。
(何歳でも頑張れる人は別です。)
未経験で何の装備もないながらも、
がむしゃらに走ってこれたのは、
気力体力の合わせ技があればこそとも思います。
私個人の見解ですが
デザイナーが身をおいている環境は
千差万別かと思います。
しかしかつての私のように
特殊な環境に身を投じているひとも
いまだ少なくないと感じます。
私の経験から言えることは、とにかく
デザイナーの労働時間をなめてはいけないということ。
特に最初の数年は
歯を食いしばらなくてはならない局面があるはず。
その時、対価は給料ではなく、
経験とスキルを身につけることだ(ステップアップ準備期間)
と割り切り、特殊な待遇面も楽しみつつ
乗り越えられたらいいな、
というキモチが大事なのではないかと思います。※時代が違…orz←
こんな感じで私の激動20年(←いまここ)の
デザイナー生活がどんどん進んでいくわけですが
今に至る道のりは長く、険しく、
楽しく続きますのでまた機会があれば
文章にしたいなと思います。
お付き合い頂きありがとうございました。