今日の一福(2024/04/07)
花渦巻く並木道にて。
大きめの制服にくるまれてポーズする男の子。すこし前にはその母親か、スマホをかまえて息を詰める。
ザックを背にランする男性ふたり。追いつ追われつ何のはずみか、ぱっと見合って笑い合う。
三輪車にまたがった女の子。両足が地面に届かず、父親が後ろでガッチリ支える。それがお気に召さなかったかどうなのか、自分もみんなのように歩きたいと、父親の手を払って駄々をこねる。
両腕いっぱい、犬を抱えた中年男性。その背にもまた犬を負うか。花を見せたい気持ちは気持ちとして、足取りあやうい。前もちゃんと見えたものだか、いかにもあやしい。その調子でどこまでゆくか、どこまでゆけるか。
二度見、三度見してなお振り返えった今日。
花よ花よと、とりどりに渦巻く人よ人よ。
吐く息さえ届きそうな場所で、互い違いに咲き誇る様。
その上を雲のように広がる花々から見た景色は如何許りかと、酒でも交わしながら語り合えたら。