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霊の話 7 死ぬ瞬間と死んだ後の話

そんなわけで(前頁参照)、私は生きながら死ぬ瞬間というものを何度か体験しています。私の元に来る霊は、大概事故関連で亡くなった霊なので、布団で息を引き取った事はありません。

あんまり嬉しくない経験ですけどね…。

彼らのほとんどは、自分の心臓が鼓動を止める瞬間に、自分が死ぬ という事を理解し、そして、肉体が心臓の鼓動を止めるのと同時に、意識が途切れることなく、連続性をもったまま身体からはじき出されることに驚きます。

はじき出されるというのは第三者からの視点で、実際はいきなり視界が暗転したり現実世界が見えなくなったりして意識だけになる感じになります。

霊体になると同じような波動のものや強く記憶に残っているものしか見ることができなくなるので、視界が変化するのです。私の体験ではですが。

そして、だいたいはその一瞬の出来事に茫然とするのです。

ただ、しばらくすると、全部見えているかのように動く霊もいるので、慣れるとそりなりに外界を見る事ができるようになるのかもしれません。

人の意識は、肉体を失っても生きていたように残ります。天寿を全うした人はそのまま自然な感じで天界へと一度上がっていきます。

そして、事故などの突然の出来事でなくなった人で、長期的に取り乱してしまった人は、上にふわーっと逝きません。そして、落ち着いた頃に、え? これからどうするの?みたいな事になっていきます。

そうした場合は、お葬式のエネルギーや法事のエネルギーで本来の場所に引き戻され、ゆっくりと上がっていく事になります。なので、お葬式とか法事は、意外と上がりにくい人にはとても大事なエネルギーになります。

また、最近では不思議な上がり方をする人を見かけた事があります。これは体験ではなくて見届けただけなのですけれど、認知症になって、意識混濁気味だった方なのですが、亡くなったら、霧のように粒子のようになって分散し、この世界に溶け込んでしまい、消えたのか上がったのかよくわからない感じでした。

意識がもう自分という形を成さなくなったせいなのか、何かしらの原因で魂が性質を変えたのかよくわからないのですが、始めて見る上がり方でした。

認識できなくなってしまったので、その後どうなっているのかはわからないままです。

ちゃんと上がってるといいなーと思うばかりでした。

そして、人は亡くなった後、一度天界?仏界?へと上がり、現世とのお別れの時間として、四十九日間の滞在許可をもらってまたこちらの世界に降りてきます。

魂が上がる時によく言われる、『お迎え』って私は見た事ないのですが、許可をもらう場所の入り口には、仏様と亡くなった方の身近な人が一緒に待っている様なのは見た事があります。

…四十九日って許可制なんですよね。

許可とらないと不法滞在の浮遊霊になるそうです。そして、四十九日の間に、霊は生前にお世話になった人や出会った人に挨拶をしたりして、なんとなく現実世界への執着を手放し、上がる準備をします。

穏やかに過ごす人も、感情的に乱れながら諦めていく人と様々ですが、この仏教だけにある四十九日という時間は亡くなった方にも生きて残された方にもとても良いシステムだと私は思います。

イレギュラーな四十九日も見たことがあります。

「子供が小さい時期に亡くなった夫にたずねたいことがある。」という女性のお仕事を受けた時のことです。その女性の夫である子どもの父親が、この四十九日にあたる部分を、子供さんが20歳になるまで成仏せずについていたいという事で18年に伸ばしていたという事がありました。

それはきちんと天に許可されているもので、未浄化ではありませんでした。かといって成仏しているわけでもなく、立場的には守護霊ともいえそうなのですが、正式な守護霊は成仏後、もう少し霊的進化を遂げたご縁ある方が引き受けてくれるものになります。なので、どれにもあてはまらない不思議な例だったのです。

父親の気持ちを汲んで、特例で四十九日が18年という期間に許可されたという事なのでした。天は無慈悲ではないということなのでしょうね。

そして人は四十九日を過ぎると、天国ではなく、極楽浄土でもなく、全ての人が必ず行く領域へと向かいます。そこは学び終えていない傷を癒したり、死のショックを癒したり、魂よりも上の次元にいる自己との調整をしたりと次の段階へと進むための準備をするような場所になります。

未浄化霊以外で私がコンタクトを許可されているのはこの領域にいる人まででした。ここを過ぎると大抵、この仕事を手伝ってくれている存在に無理と言われます。

ですが、この段階を過ぎている霊に会いたいという人はほとんどいませんでした。なぜなら人は、この領域で全ての生前の感情的ご縁を切り離していくからなのだそうです。

生きた人も、亡くなった人との感情的な縁が切れると悲しみも癒え、自分の人生へと戻っていきます。ここにいなくなったら、生きている人も感情的な痛みを乗り越えているという事になるのです。

そして、その先はあまり分かりません。

ただ、なんとなくその先は様々で、一つの世界ではないような感じがしています。転生する人や、転生を終え次の世界へと進む人、様々なのだと思います。そしての場所はいつ感じても、たくさんの人でにぎわっている感じがするのでした。

続く。


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