「出口のない海」を読んで
小学6年生でヒロシマへ。中学3年生でオキナワへ。悲痛な叫びを訴える写真や遺品、日記。戦火を生き抜いた方の胸をえぐられるような体験談。数え切れないものに触れた。
「無慈悲でしかないこの戦争を、繰り返すことは許されない。」
何度その言葉を口にしただろうか。
私の浅はかな決意は、大した意味を持たず上辺だけであったことを、今となって身に染みて感じることとなった。そのきっかけとなったのは、横山秀夫氏の綴った『出口のない海』だ。太平洋戦争時、人間魚雷「回天」に乗り込んだ若者の生死の