孤独ヲ数得ル 山田ジョバンニ ある日。 駅を中心に広がるペストリアンデッキの片隅に、キミは座っている。 座っている人は他にもいるが、キミの場合は一寸ばかり状況が異なる。 脈絡もなく置かれたパイプ椅子。 キミは、何処から取り出したのかパイプ椅子に座っている。 そして、手にした数取機で行き交う人々を数えている。 重要なことなんだが、キミが数えているのは「人々」であって、特定の個人ではない。 キミも、そしてたぶんクニ