【D-8】イ・ハイと踊るディスコ
イ・ハイが無双している。
ハイちゃんといえば、わたしの中では割とソウルフルな歌手というイメージだった。ソウルフルすぎて曲より声が耳にガンガンくるパワー系のボーカルだと思ってたから、YG時代の曲は正直あんまり聴いてこなかった。しかし、ハイちゃんが2019年末にAOMGに移籍してから、気づけばわたしの聴いている曲にハイちゃんの名前が書いてあることが増えた。ちゃんと聴いてみるほど、イ・ハイの声は軽やかで心地よく、それでいてすごくブルージーで、トラックに埋もれない独特な個性のある声だった。
2021年。「Party For The Night」を聴いたとき、わたしがグラミーの蓄音機のトロフィーだったら、勝手にGRAYの家に歩いていくだろうなと思った。ディスコファンクみたいな音楽がもともと好きだけど、このトラックにハイちゃんのスモーキーで甘いボーカルが合いすぎている。力の抜けたセクシーなハイちゃんはわたしのイメージをひっくり返して、すっかり心を奪っていった。
AOMGに移籍して初のアルバム『4 ONLY』は、わたしの夏を彩ってくれた名アルバムの一枚だ。すべての曲が新解釈のイ・ハイで、そして全てわたしの好きな曲だった。そしてこの生バンドのライブクリップといい、AOMGは100点以外出せないのか?と思う。タイトルトラックの「빨간립스틱」もディスコ調で良かったけど、ウォンシュタインがフィーチャリングの「머리어깨무릎발」、「Darling」も特に良かった。
きのうリリースされたRad Museumのアルバムから「Off-Line」。ダフト・パンクが再結成したかと思った。というかDEANが歌ってる姿もめちゃくちゃ久しぶりだし、やっぱりニューディスコとハイちゃんは相性最高すぎる。2022年の最高を完全に叩き出してしまっている。本当は今すぐ窓開けてデカイ声で叫びたい。この地球にこんなに素敵な音楽があるんだぞ!と。寝床についたばかりの週末の働き人たちを叩き起こして一緒に踊りたいくらい。今生きている生命ぜんぶに聴かせたい。なんかもはやこれが好きだろうが嫌いだろうが何とも思わない人がいようが別にいい。とにかくこれを聴いてほしい。オフライン状態になって全てから開放されて、この4分間だけ何もかも忘れてしまえばいいのに。
2022年、わたしがグラミーのトロフィーだったら・・・・。