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【書評】 なぜ働く? 誰と働く? いつまで働く? 限られた人生で後悔ない仕事をするための20の心得


なぜ働く? 誰と働く? いつまで働く? 
限られた人生で後悔ない仕事をするための20の心得

「やりたいこと」に悩むすべての人へ - キャリアは「何を」ではなく「なぜ」から見つかる


本書は、一般社団法人プロティアン・キャリア協会代表理事の有山徹氏による、現代のキャリア形成における新しい視点を提示する一冊です。

著者は、約30万人、200社以上の企業に向けて、現代版プロティアン・キャリア理論を展開してきた実績を持つキャリアコンサルタントです。

特筆すべきは、著者の考えるキャリアコンサルタントの役割です。

一般的な転職支援や職業斡旋ではなく、「筋のいい問い」を投げかけることで、相手の頭や心を動かすことこそが本質的な仕事だと捉えています。

この視点は、本書全体を通じて一貫しており、読者に対しても様々な「問い」を投げかけながら、自身のキャリアを見つめ直すきっかけを提供しています。

本書の特徴的な主張は、「やりたいことがない」という状態は決して悪いことではないという点です。

著者自身も30代後半から現在の40代まで、常にやりたいことを模索し続けているという率直な告白は、多くの読者の心に響くことでしょう。

さらに興味深いのは、キャリアを考える際の視点の転換です。

「何をするか」「どこで働くか」という具体的な職業や職場の選択から、「なぜ」「誰と」「いつまで」という本質的な問いへの転換を提案しています。

この転換により、職業選択の幅が広がるだけでなく、自分自身の本当の願望や価値観に気づくきっかけを提供しています。

本書で紹介されているS木さんの事例は、特に印象的です。

会社の経営統合による環境変化に直面し、単なる離職や現状受け入れではなく、自ら風土改革を提案し実現していく過程は、「自ら道を切り開く」という著者の提唱する考え方を具体的に示しています。

著者は、このような状態を「人生の解像度が高い状態」と表現しています。

これは、具体的な職業や職場に縛られることなく、自分の価値観や目的意識が明確になっている状態を指します。

この考え方は、現代の不確実な労働環境において、特に重要な示唆を与えています。

本書の構成は、20の心得という形で展開されており、各章で具体的な事例とともに、読者自身が考えるためのヒントが提示されています。

これにより、読者は自分のペースで、自分なりの答えを見つけていくことができます。


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本書を読んだ感想として

本書の最大の魅力は、「やりたいことがない」という現代人の共通の悩みに対して、新しい視点を提供している点にあります。

多くのキャリア本が「やりたいことを見つけよう」と急かす中、本書は「やりたいことがなくても当たり前」という、ある意味で解放的なメッセージを発しています。

特に印象的だったのは、著者自身も含めて、ほとんどの人が「明確なやりたいこと」を持っていないという指摘です。

この率直な認識は、読者に大きな安心感を与えるとともに、より本質的な問いに目を向ける余裕を与えてくれます。

また、S木さんの事例を通じて示される「自ら道を切り開く」という考え方は、単なる理想論ではなく、具体的な行動としての可能性を示しています。

これは、現代の働く人々に対する重要なメッセージとなっています。

本書は、キャリアについて「何を」ではなく「なぜ」という視点で考えることを提案していますが、この視点の転換は、実は人生全般における重要な示唆を含んでいると感じました。

「なぜ」という問いは、自分自身の本質的な価値観や願望に向き合うきっかけを与えてくれるからです。


本書を特におススメしたい人

・「やりたいことが見つからない」と悩んでいる方

・現在の仕事や働き方に漠然とした不安を感じている方

・キャリアの方向性を模索している若手・中堅社会人

・組織の中で自分らしい働き方を探している方

・キャリアチェンジを考えている方


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本書のまとめ

本書は、現代の働く人々が直面する「やりたいことがない」という悩みに対して、新しい視点を提供する画期的な一冊です。

著者は、キャリアを考える際に「何を」するかではなく、「なぜ」働くのかという本質的な問いに着目することの重要性を説いています。

そして、自らの経験や具体的な事例を通じて、キャリアは必ずしも明確な目標があってから始まるものではなく、自ら道を切り開いていく過程そのものに価値があることを示しています。

この本は、読者に新しい視点と具体的な行動のヒントを提供し、より充実したキャリア形成への道筋を示してくれます。

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