B.革新との向き合い方を考える
◆バンビシャス奈良がB2ライセンス維持からのB.one参入で追加協賛とファンからのクラウドファンディングへ
◆青森ワッツの筆頭株主が破産申請。資金調達と、新株主探し
と、一時期のように、クラブ経営に解れが見え始めたBリーグ。
クラブの経営に影がちらついたのは、1度目がBリーグ開幕シーズン、そして2度目が3シーズン目が終わる頃、3期連続赤字でライセンス不公布に陥りそうなクラブが出たときくらいだと思います。事態そのものは、どれも直ちに倒産というようなことではなく、スポンサーの確保やオーナーチェンジによる増資などで乗り切ったと記憶しています。
島田チェアマンのnoteに、上記のような経営に陥ったクラブについて言及がなされております。以下、上記埋め込みからの引用です。
“B.革新で無理をさせているからこのような結果を招いているような誤解をしている人が一定数いますが、全く逆です。今の仕組みだと、どんどんこのようなクラブが出ることを避けるための改革です。”
これについては、将来的なビジョンも大切ですが、今目の前にあることも重要だよね?というのが私見です。今を受け入れて、おさまるべきところに落ち着いてから成長を目指すのでもいいのでは?と考えてしまいます。
※ちなみに、私の好きなチアリーダーの座右の銘に「置かれた場所で咲く」というのがあります。
身の丈に合わないところで咲こうとすると、それこそ取り返しのつかない事態に陥るのではないでしょうか?
こういう意味も含めての引用文であれば腑に落ちるんですけどね。
私も面識のある経営者さんのnoteです。
筆者の意図に反するかもしれませんが、B.革新に向けてクラブが動いた結果、何が起きたか?以下引用です。
毎年10%売上を伸ばしているバンビシャスですが、そうして昨年比20%UP(昨季売上3.5億円から7000万円UP)の予算を組む形となったわけです。
しかし、3000万円UPの売上3.8億円まではいったものの、あと4000万がどうも足りない、、4.2億に届かない、、、
その原因は主に、以下の2つ。
新リーグ参入条件の入場者数(平均2,400人、最低でも1,500人)をクリアするために無料招待券を配布したところ、既存のお客様にまで招待券を使われるケースが増え、入場料収入が伸び悩んだこと。
新規、特に大口スポンサー獲得が当初計画通り進まなかったこと。
ともかく、今期あと4000万円足りないようでは、3期連続赤字決算となってしまい、B2ライセンスは下りず、チーム成績に関係なくB3に降格してしまいます(※現在チームはプレイオフ進出をかけ奮闘中!)。
無料招待券配布により、入場料収入が薄まった旨の記載があります。
参入条件をクリアするために無料招待券を配布した結果、今まで有料で観戦していたお客さんもそちらを利用、売り上げが落ちた、という事です。
無論、“入場者数を増やす=無料招待券を配布する“という発想自体が、いわば思考停止に陥っているという問題もあるのですが、B.革新に向けて動いた結果、経営が圧迫されていると言ってよいと考えます。
では、新リーグ参入に何のアクションもしないのか?ステークホルダーとの兼ね合いから、その選択も難しい。
実に悩ましいですね。
では改めて、B.革新って何だっけ?についておさらいです。
以下抜粋。
B.LEAGUEが目指すのは、クラブとステークホルダー/地域がお互い支え合う好循環を生み出し、地域を元気にすること。しかし、競技成績により昇降格が発生する現行制度のもとでは、高いレベルで事業・競技を両立し順調に成長するクラブが現れる一方で、昇降格リスクがあるためチーム投資が優先され事業投資が後手になった結果、地域やステークホルダーに貢献するための経営資源を割けないクラブも多く存在しています。
新たな制度では、クラブが長期的視野で事業投資ができる環境を整えるため、競技成績による昇降格を撤廃。事業やスタッフへ投資ができる環境を作ります。
長期的視野で事業投資ができる環境を整えるために新しい制度を導入します!そのためにもう一度仕分けます!売り上げ目標コレ!入場者数目標コレ!→(今)体力の削り合い
という構図になっている気がします。
倒れたら元も子もないです。(これは親会社に、赤字分補充してもらっているクラブも同じです)
思うのは、B.革新はそれとして、「どういうクラブでありたいか?」というビジョン、思いをステークホルダーと共有して進めていくことが大切かなと。
◆選手にとって
◆社員にとって
◆ファンにとって
◆ステークホルダーにとって
◆地域にとって
上に挙げただけではありません。色々なありたいクラブ像を擦り合わせて、目指すクラブ像という目標があっての、新リーグ参入という手段なのかな?と思います。
1クラブの経営破綻もなく、新リーグへの移行が完了しますように。