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伝説のワイン 〜 “マヤ” ダラ ヴァレ 〜 (“Maya” Dalla Valle)

私はこれまでにテイスティングした新世界の最上のカベルネ・フランはダラ・ヴァレのブドウ畑からのものだと言っているが、決して誇張はしていない。
[引用: ロバート・パーカーが選ぶ 世界の極上ワイン (ロバート・M・パーカーJr.著)

カルトワインの紹介です。

今回は、ダラ ヴァレ ヴィンヤーズ  (Dalla Valle Vineyards) マヤ (Maya) です。

Screaming EagleやHarlan Estateよりも前に創業した、歴史あるカルトワインといえるかと思います。以前取り上げた11つのカルトワインの中でもっとも古く、ファーストヴィンテージは1988年です。

ダラ ヴァレ ヴィンヤードは、イタリア人であるグスタフと神戸出身のナオコ ダラ ヴァレ夫婦が1982年に土地を購入、1984年にブドウを植え、1986年に設立したオーク ヴィルの東の畑、ワイナリーです。ヴォカ山脈の痩せた丘陵の斜面。Harlanが西で対峙しています。

彼らは当初、レストランとスパの開発を望んでナパに来られたとか…。しかし、グスタフ氏はイタリアで古くからワイン事業にかかわる家系のご出身で、ナオコ氏のご家族も日本酒のお仕事をされていたとのことから、それらが少なからず影響したのだと思います。

マヤはお嬢さんの名前から命名されました。
黒の背景に赤字と金色のロゴで、シンプルでありながら力強い独特のラベルです。

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カベルネ ソーヴィニョンのみならず、カベルネ フランをたっぷりとブレンドした無二のカルトワイン。

1992年ヴィンテージは、ロバート パーカーにより、「伝説的なワインになる運命にある」と評され、100点がつけられました (1995年10月 Wine Advocate)。
はじめて100点が確定したアメリカワインとなりました。
しかし悔しくも、同年12月に、グスタフ氏は他界されたようです。

実は1992年は、Screaming Eagleのファーストヴィンテージの年であり、99点がついて世をにぎわせました。
つまり、実はScreaming Eagleを超えるワイン「マヤ」が、すでに誕生していたということになります。

グスタフ氏が他界された後は、ナオコ氏がワイナリーを運営してきました。
10年後の2002年ヴィンテージで100点をとるも、その間、病害による植え替えもあったようで軌道を戻すのには時間を要したことがうかがえます。
しかしその後は、2013年、2016年、2018年と立て続けに100点を取得し、1980年代から現在に至るまでブランドを保持し続けてきたことに敬服です。

最高の環境に、ワイン専門家の力も大きかったのだと思います
Heidi Peterson Barrett ハイジ ピーターソン バレットが1988年から指導。1992年の100点取得に至りました。後には、Tony Soter トニー ソーター、Mia Klein ミア クラインら。そして現在もなお、Andy Erickson アンディ エリクソン、Michel Rolland ミシェル ローラン (仏) らが関与しています。

ロバート パーカーが最後に100点をつけた2013年ヴィンテージの香と風味に関するコメントの1行は以下のとおり。

An incredibly complex nose of charcoal embers, blackberry and cassis, some blueberries as well as white flowers, and a touch of forest floor is followed by a full-bodied wine with sweet, well-integrated tannins, a multi-dimensional mouthfeel, and a finish that goes on for close to a minute.

なお、1992年ヴィンテージについても、まだ何ヶ所かで購入できるようでした (本日のWine-Searcher調べ)。

そして今年からは、マヤがワインメーカーに任命され、マヤをつくっています。

(Photo by Michal Parzuchowski on Unsplash)

ダラ ヴァレのHPはこちらです。

なお、ダラ ヴァレについてもっと正確に深く知りたい方は、JALUXの提供するYouTubeが大変おすすめです。ぜひご覧ください。


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