一切の妥協なし Hundred Acre (ハンドレッド エーカー)
今朝、衝撃的なニュースを目にしました。
それは、Robert Parker Wine Advocateの編集長のLisa Perrotti-Brown リサ ペロッティ-ブラウンが、本日、Hundred Acre (ハンドレッド エーカー) になんと6つもの100点をつけたことです。
先日、満点トップ2、3としてコルギン (21つ)、シュレーダー (20つ) を紹介しましたが、昨日まで19つの100点を有していたハンドレッド エーカーは、本日、シネクアノンとならんでもっとも100点を得たアメリカワインとなりました。
衝撃的だった理由はそれだけではありません。本日は、リサ ペロッティ-ブラウンがRobert Parker Wine Advocateを去る日であるからです。実は、昨日の時点でも、ハンドレッド エーカーは彼女がもっとも多く満点をつけたアメリカワインでもありました。最終日まで彼女の好みを圧倒的なかたちで示すとは… 想像もしていませんでした。
ちなみに、彼女はパーカーに続いて2番目に多くアメリカワインを評価してきました。アメリカワインの満点の4割は彼女の採点によるものでした。
話をハンドレッド エーカーに戻します。
ハンドレッド エーカーは、シュレーダーと同じ1998年に、ナパ ヴァレー セントヘレナに設立された新しいワイナリーです。
オーナー、栽培、醸造すべてのプロセスにかかわる珍しさは、カナダ出身のJayson Woodbridge ジェイソン ウッドブリッジ。ワインに魅せられ自分でつくりたいと30代にハウエルマウンテン (セントヘレナの北東) にある粘土質土壌 Kayli Morgan Vineyard カイリ モーガンを購入し、カベルネ ソーヴィニョンをリリースしました (2000年)。
その後同じくナパ ヴァレーに2つの畑 (Ark アークとFew and Far Between フュー アンド ファー ビトウィーン) を購入し、現在は計3つの自社畑を有しています。
アークはセントヘレナ郊外、フュー アンド ファー ビトウィーンはカリストガにあり、ファーストヴィンテージは各々2005年 (100点)、2008年となっています。
現在までに100点をとったラインナップは、これら3つの単一畑に基づいたものと、すべてをブレンドしたWraith レイス (2013年~)、そして酒精強化ワインの計5つとなります。
すべてに様々なこだわりを持ち、カベルネ ソーヴィニヨンを長い熟成を経て完璧に仕上げていく。期待に満たないブドウやワインは捨ててしまうそうです。
セカンドラベルも生産していません。山火事の影響があった昨年のヴィンテージは生産されない模様。
ジェイソン ウッドブリッジは、かつて投資銀行業務に携わっており、ワインづくりを学校で学んだわけではなく独学で身に付けたそうです。
並大抵の信念や努力では達成することはできないだろうと思います。
ラベルや瓶口の金装飾が印象的です。
瓶口は金のリングで、顧客へのコミットメントを示しているとか。
ハンドレッド エーカーのHPはこちら。
カルトワインの中でもなかなか目にすることのないハンドレッド エーカー。
日本では、オフィシャルnoteも書かれているWINE IN STYLEさんが取り扱っています。
パーカーは2016年に、2013年のフュー アンド ファー ビトウィーンは1分をこえる余韻があると紹介しました。
Wow!
(Photo by Giorgio Trovato on Unsplash)