最高峰のラベルへのただならぬこだわり
先日、「今売っているいちばん高いアメリカワイン」をご紹介しました。
それは、Thief 1990というもので、アメリカNo. 1 ワイナリーであるシネ クア ノンが設立する前に、オーナーであるマンフレッド クランクルらがつくった ”プロジェクト ワイン” のひとつでした。
それでは、ほかに “プロジェクト ワイン” はなかったのでしょうか。
ある記事をみますと、プロジェクト ワインは、4種5本存在したようです。
4種5本?!
そうなんです、1種については、中身は同じですが、ラベルが違うワインだったようです。
その理由は、「LegsラベルはBATF (アルコールなどの取締局) に却下されるのではないかと気になっていた」からとのことでした。そこまでしてラベルに力を入れるとは…なんともすごいことです。
シネ クア ノンの魅力は、テイストはもちろんなのですが、こういったアート魂にもあることは間違いありません。ワインを超えています。
生産量は、合計で335ケース (4020本)。「ROUSSANNE IS COMING」は295ケース、「LEGS」は40ケース (480本) だったようです。マンフレッドがかつて働いていたレストランで供されていました。
ヴィンテージは1993年。中身はその名のとおり、Roussanne ルーサンヌです。
ルーサンヌといえば、マンフレッドが好きなローヌ地方で特に有名な品種です。通常他の品種とブレンドされますが、これらは100% ルーサンヌです。
生産は、Alban Vineyardsで行われたとのこと。Alban Vineyardsといえば、同じくシラーなどのローヌ種でWA100点を連発しているワイナリーで有名です。サンタバーバラから北へ車で1.5時間ほどの距離にあります。
これらのワイン、本日時点で売られているお店はないようです。
シネ クア ノンは現在特にシラーやグルナッシュの赤が有名ですが、逆に90年代など古いヴィンテージのロゼや白が驚くほど高値で取引きされていることはこれまでの記事でもご紹介させていただきました。
今回ご紹介の2本がもし売られることがあれば、もっとも高いアメリカワインになるかもしれませんね。
先日の記事でホットなニュースに少々ふれましたが、実はシネ クア ノンは今年はじめて白ワイン(dry)でWA100点を獲得しました。
2018 Aperta というワインで、38% Chardonnay, 25% Viognier, 22% Roussanne, 6% Petit Manseng and 9% Muscat です。リリース$127(約15,000円)、生産906 cases (1万本強)。
1993年の “Roussanne is coming” から四半世紀。完璧なものとして “花開いた” 記念すべき年となりました。
Have a Very Happy New Year!
(Header Photo by ÉMILE SÉGUIN on Unsplash)