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もっとも長い余韻のアメリカワイン !?

聞き終わっても耳から離れない歌がある。そうした名曲と同じように、ワインのなかには飲み終わった後、余韻を残すものがある。その余韻こそが、後味という意味のフィニッシュ。詩的に言うなら、「名残惜しい別れ」だ。
NYスタイル ワイン・ブック マーク・オールドマン

BLICの“L”、Length。余韻は、ワインに限らずとも、満足感を高揚させます。

「ワインの帝王 ロバート・パーカー (エリン・マッコイ著)」に、大変興味深い以下の記載がありました。

パーカーは、ワインの余韻が口内でどれくらい続くかを、正確に測ってもいる。
70秒あまりというのが、最長記録のようである。

最長記録をしめしたワインは何だったのか、アメリカワインではないのか…など気になり、調べてみることにしました。

対象は、パーカーが満点をつけたアメリカワイン226本としました (Wine Advocate)。

その結果、期待を上回る事実がわかりました。
70秒どころか、フィニッシュが「Endless」であるという評価が以下の2本に対して与えられていたのです。

1) シネクアノン

2005 Sine Qua Non • The 17th Nail In My Cranium Eleven Confessions Vineyard

Dense, with an endless (and I mean endless) finish, remarkable purity, and layer upon layer of flavor, but no sense of heaviness or flabbiness, this prodigious Syrah should evolve for 15 or more years.  
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ちなみにこのワイン、先週wine-searcherで「世界一のシラー」のひとつとして紹介されていました。

2) シュレーダー

2008 Schrader Cellars • Cabernet Sauvignon Old Sparky Beckstoffer To Kalon Vineyard

The finish is endless in this super-intense, rich wine. Like all these wines, it is a 25- to 40-year effort although the sweetness of the tannin and the emerging complexity permits enjoyment even at this infantile stage.  

Schrader Old Sparkyについては以前以下の記事でご紹介しました。
ドラゴンラベルのマグナムボトルです。

なお、余韻が60秒をこえるワインは20本弱ありました。そのうち、Sine Qua Non、Harlan Estate、Colgin、Vérité、Kapcsandy Familyについては各々数本が60秒以上の余韻があると評価されていました。

余韻は長ければいいというものではないかもしれませんし、BLICの “L” だけでワインを評価することはできません。一方で、ゲーム感覚で余韻を測りながらワインを愉しむのもおもしろいかもしれないと思いました。数値はお互いが理解しやすいツールですね。

Happy Holidays!

(Photo by Rafael Barquero on Unsplash)


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