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どの国のワインがいいのか?

国全体としてみたとき、どの国のワインがいいのでしょうか。

回答はありませんが、ご参考までに世界の18名の評論家によるデータをご紹介したいと思います。

ソースは、ミシュラン (仏) のWine Advocateです (2021年12月7日時点)。

90点以上で評価されたワイン数の全評価数に対する割合をみたところ、ベスト5は以下のとおりでした (全評価2000本以上を対象)。

なお、90点以上とは、90-95点にカテゴライズされるOutstanding (傑出) と96点以上のExtraordinary (格別) を含むことになります。

1. ドイツ 60% (13,665 / 22,831)
2. アメリカ 
58% (49,245 / 85,650)
3. オーストリア 
57% (4,522 / 7,933)
4. オーストラリア 
55% (10,834 / 19,853)
5. スペイン 
55% (16,273 / 29,867)

ここで興味がわいたのは、ロバート パーカーを抜いた17名の評論家での評価はどうであったかということです。
ロバート パーカーも人ですので、好みの国のワインがあったと思いますし、それが全体に大きく影響している可能性も否めません。特にアメリカワインについては、偏りが生じていないか気になりました。

結果はこちらです。

なんと驚くことに、予想に反して、1番と2番が入れ替わる結果となりました。パーカーはアメリカワインに厳しかったということでしょうか。

1. アメリカ 63% (31,573 / 50,272)
2. ドイツ
 61% (13,455 / 22,253)
3. オーストリア
 57% (4,465 / 7,798)
4. スペイン 56% (15,232 / 27,210) 
5. オーストラリア
 56% (8,427 / 15,079)

さて、ドイツワインは甘口ばかりが選ばれたのではないかと思いましたが、そんなことはなく、約80%はTableワインでした (10,826 / 13,455)。

そして強調すべきは、国ごとに白と赤ワインいずれかに偏っている傾向があったことです。各々の国をとりわけ牽引しているワインといえるかと思います。
それぞれのメインは以下のとおりです。

  ・アメリカ: 赤ワイン 79%  (25,044 / 31,573) 
  ・ドイツ: 白ワイン
 93% (12,516 / 13,455)
  ・オーストリア: 白ワイン
 86% (3,818 / 4,465)
  ・スペイン: 赤ワイン
 71% (10,734 / 15,232)  
  ・オーストラリア: 赤ワイン 76% (6,429 / 8,427)

日本については、以前の記事で少々触れたように、高木酒造の十四代 双虹 大吟醸が満点を獲得しているものの、純粋なワインではまだ評価されたものがないようです。シネクアノンのように評価してもらえば一夜にしてカルト化ということがあるかもしれません。

ミシュランの18名による90点評価をもって、いいワインを結論づけることはもちろんできません。
しかし、一部の評論家によれば、国全体としてみれば、上記の国々がいいワインを特に多く生産しているといえるのかもしれません。
また、各国の差をどのようにとらえるかによりますが、大きな差ではないととらえるならば、いずれの国も各々の個性の中で非常に多くのいいワインをつくっていると言えるように感じました。

地球のような “完璧な球体” を目指して…。

ワインの究極のかたちとはなんだろう。
イメージとして喚起すれば、それは完璧な「球体」だといわれる。なによりも調和のとれた立体感が重視されるのだ。何かが突出していてはならない。けれど、それぞれの成分は個を主張していなくてはならないというわけである。
(ワイン・テイスティングを楽しく 岡元麻理恵 著)

(Photo by NASA on Unsplash)

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