映画感想 ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP(劇場用再編集版)
劇場公開は(多分)終了していますが、先日ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP(以下「RTTT」)を劇場に観に行き、自分の中で落ち着いて感想が書けるようになったので書いていこうかなと思います。
なお、本編のネタバレを含みます。
言い訳
最初に言い訳しますが、アプリ版はプレイしていますが、競馬に詳しくなく、テレビアニメ版、コミカライズ版等は全く触れていない状態で観に行っています。
また、育成ウマ娘としてのナリタトップロード、アドマイヤベガ、テイエムオペラオーは所持していません(ついでにカレンチャンもメイショウドドウもいない……)。
なのでその辺の知識なしで、現在公開中の「新時代の扉」を観るにあたって、前日談らしい(現実の競馬知らないので「らしい」とか言ってます。)ので観よう、と思いいたって観に行っています。
ざっくり感想
めちゃくちゃ面白かったです。上映劇場が近くになく出先だったので、泣き顔おじさんにならないよう泣くの堪えなきゃならないくらいの感動しましたなお実際は堪え切れれずに泣いてます。
お話について
現実の競馬でいうところの99世代のクラシック三冠レースをモチーフにしたシナリオらしいです(伝聞調ですいません。)。
アプリ版の育成だと適正(因子含む)さえあれば、トレーナーとして当たり前のように勝っていたレースですが、当然簡単に勝てるはずもなく……勝つのは大変という意味で、育成シナリオよりは対人戦イベントが近いかもしれない。
主人公はナリタトップロード、アドマイヤベガ、テイエムオペラオーの3人っぽいですが、主に前者2人に焦点が当たり、勝利への執念、葛藤、焦燥感などが描かれており、スポーツアニメに可愛い女の子要素がくっついているくらいの感覚ですね。
ナリタトップロードについて
物語で最後に勝った、という意味ではこの子が主人公なのかもしれない。
自分がアプリ版を始めたと同時ぐらいに、育成ウマ娘として追加され、ガチャのピックアップにいたのを覚えています。初心者はサポートカード優先と言われたのと、(確か)メイさんがサポートカードで登場していた?くらいだったので、引くに引けなかった覚えがあります。
バクシンオーさんとはまた別タイプの委員長という感じで、ひたむきに、真面目なキャラクターですね。アドマイヤベガに「光が強い(意訳)」と言われるくらいには光属性で眩しいセンター分けでおでこも眩しい娘でよかったです。
日本ダービーに負けた後の、光属性が強い娘特有の曇り方がよかったです。
トレーナーに本音をぶつけた後に、それでも戦うことから逃げようとしていないとトレーナーに指摘されるところとか、観ているこっちも「そうなんだよな」となりますよね。戦って勝てなかった時の不安について話すけど、レースに出ないとは言ってませんから。
菊花賞で勝った時は、自分のことのように泣いてしまいました。
映画観るとすぐに影響受けるタイプなので、育成ウマ娘としてお迎えしたい欲が凄いことになっています。
アドマイヤベガについて
日本ダービーで、ナリタトップロードに「お前……自分はもう勝ったと思ったな。絶対に勝つ、ではなく、勝った。そういう顔をしている。勝とうと必死な顔より勝ったと確信した顔をぶっ潰す。最高に美しい……」と後方から抜き去った彼女ですが(彼女の名誉のために言うと、当たり前ですがこんなこと言ってません。)、アプリ版で何かのタイミングにピックアップ対象となっていたので顔は知っていました。
彼女が抱えているものが判明するまでは、何かを背負っている、気負っているタイプかなと思ったら、いわゆるサバイバーズ・ギルトを抱えている様子でしたね。
菊花賞で妹との別れ?が描かれ、案の定泣きましたね。
多分ラストの妹は本物だと思いますが、それまでの妹がすべて幻覚なのかはわかりません。菊花賞でアドマイヤベガに起きた出来事からすると、罪悪感から聞こえないはずの声を生み出し、ありえない姿を感じていたのかなと思いました。
菊花賞ラストの罪悪感がMAXの時に語り掛けてきてた妹が本物だとすると、これまで姉が感じていたような追い詰めるようなこと冗談でも言いそうにないし、この妹も幻覚だとすると、自分に都合よく妹のことを考える嫌なお姉ちゃんになっちゃうし……
余談ですが、こういう「自分の実力には自信があるけど、自分の存在には否定的な影のある美少女」はとても自分に刺さります。
映画観るとすぐに影響受けるタイプなので、育成ウマ娘としてお迎えしたい欲が凄いことになっています。天丼か
テイエムオペラオーについて
皐月賞で、ナリタトップロードが勝利への道筋を見出したでも結果3着だったような……?と同時に、後ろからカッコよく抜き去った人。
アプリ版においてどこかでは見ているはず。
映画館の予告で新時代の扉の予告を見た時に、すごい顔してたので、RTTTの可愛らしい作画にすごくびっくりしました。
ここからの作中の何年間で成長して大人になるのかな。
多分主人公の1人としてカウントしていいと思いますが、前者2人より内面の描写が少なかった(ウマ娘詳しい人的には、彼女は映ったままのキャラクターだという認識だったらすいません。)のでどういう扱いなんでしょうかね。
前者2人、特にアドマイヤベガの心理描写がめちゃくちゃに重いので、彼女の言動がかなりマイルドにしてくれていたと思います。ありがとう。
芝居がかった言動が目立ちますが、自分たちが次の時代を築いていくという自負、そして自分がその先頭に立つという自信、シニア級でも同期も先輩もまとめてぶちのめすという闘志を持った魅力あるキャラクターだと思いました。
トレーナーについて
トレーナーが明確に描写されたのにはちょっとびっくりしました。いわゆる萌えコンテンツに分類されるような気がするので、男性キャラを描写するのは結構勇気がいるんじゃないかと。
実際はアスリートとしてのウマ娘の戦いがメインだったので、露骨なそういう要素は不要だったのですが。
アドマイヤベガは「一人がいい」と言っていましたので、多分トレーナーはついていないと思いますが、テイエムオペラオーにはついていなかったのでしょうか。いてもいなくても尺の都合で多分カットされているといえばそう。アプリ版と異なり、トレセン学園に入る前からトレーナーとして指導しているという描写でしたが、トレーナーがいなかった場合のナリタトップロードはどうなっていたんでしょうか。逆に2人にトレーナーがついていた場合はどうなっていたんでしょうか。
その他のキャラクターについて
ナリタトップロードにとってのトレーナーや周りの人たちとして、カレンチャンとメイショウドトウが描かれていましたね。メイショウドトウはトレーニングを一緒にこなし、これから伸びると表現されていたものの、カレンチャンはヒロインみたいなムーブをしながらもトレーニングのような描写がなかったですね。
ライスシャワーの健気な後輩?姿もよかったですし、ハルウララの元気な様子、クラスメイトや商店街のみんな、ドカ食いオグリキャップもよかったです。
実況の人の、レース前の穏やかな喋り口調も刺さりました。
個人的には、結構推しているキングヘイローが映って喋ってくれたのが嬉しかったです。本編にはあまり関係ありませんが、大事な要素なので。
解説の人について
声聞いて「山本昌が不動産会社のCMに出ているときみたいな声するな」と思ったら、エンドロールで山本昌広本人でたまげました。
何やってるんですか。(にわか中日ドラゴンズファン特有の感想)
全体を通じて
先にも書きましたが、陸上競技の選手がトラック競技のデカい大会で勝つというスポーツもののアニメに、ウマ娘という可愛い女の子要素が乗っかっているというようなバランスで作品が作られていて、非常に見やすかったと思います。
特に自分の中にキャラクターソングを聞くという文化がなく(多分共感性羞恥に近いものがある。)、「ライブライブされると困る」というのが正直ありましたので。何でこんな奴がアプリ版でトレーナーやってんだ、というツッコミは御容赦ください。可愛い女の子眺めながらコツコツ作業するのが好きなんです。
ウマ娘というコンテンツのイメージとして、萌え系を回避したり、そもそもヲタクじゃない人にどこまで観てもらえるか、というのはありますが、少なくともスポーツ漫画とか読んだことある人なら楽しめる作品になっているんじゃないかと思います。
余談
RTTTで初めて、「末脚」は「すえあし」と読むと知りました。ずっと「まっきゃく」って読んでいました。
ちょっとだけ現実の競馬にも興味が出てきた(流石に賭けたりはしませんが。)ので、キャラクターとかを調べるついでに史実を観たりしています。
ちょうどこの記事を書く直前に、「これはもうフロックでも何でもない!二冠達成!!」の記事とか映像を観て泣きました。年取ったのかメンタル不安定なのか、こういうのですぐ泣いちゃいますね。