「上半身裸になったりしてて、あいつらキモイ」
コロナ禍になってから近所の公園にはこれまでよりたくさんの人が集まるようになった。レギュラーメンバーはグランドゴルフを楽しむ年配の方々に草野球やソフトボールのチーム。それと遊具で遊ぶ子供たちだ。空いたスペースに子供のサッカーチームが来るようになり、部活がなくなった中高生がサッカーや野球、陸上の自主練をしてる風景も見られるようになった。そして大きな勢力として集まっているのが近所の工場へ技能実習生として働いているベトナム人の若者だ。
コロナ禍になって犬の散歩をするタイミングが変わり、彼らの通勤時間とバッティングすることが増えた。ある程度グループになってママチャリに乗り通勤している。帰宅の時は解放感からか楽しそうに笑いながら自転車で走っている。そこで彼らの存在を意識するようになると、近所のスーパーマーケットや公園でも見かけることに気が付く。どうやら地元の工場で働いているようだ。
技能実習生についてはネガティブな事件も多く、実態を知るに連れて日本として世界に胸を張って説明できる制度なのか疑問しかない。なんだか申し訳ない気持ちでいっぱいなのだが、彼らが公園で楽しそうにサッカーをしている風景を見ると、少しだけ救われる自分がいた。
そんな複雑な思いを抱いている私。たまたま家族で技能研修生の話になった時に小中学生の甥、姪の反応は冷ややかだった。夕方集まって公園でサッカーを楽しむ彼らに対して・・・
「上半身裸になったりしてて、あいつらキモイ」
子供らしい素直で残酷な反応だ。
大晦日の和やかな雰囲気での話だったからウケを狙ったのかもしれないし、単純に裸になってサッカーをしていることに対する反応なのだろう。でもやっぱり少しショックだった。私はなるべく冷静に。優しく彼らは遠く離れた日本へ仕事の勉強をしにきている事。日本人も過去同じようにブラジルとかで大変な思いをしている事。一生懸命がんばっている人達だと思ってあげてねと説明をした。
今回は子供たちのとの話だが、この制度を決めて恩恵を受けている大人たちは一体どのような感情を抱いているのだろうか。安く使える労働力としか考えていない人もいるのだろう。テレビやネットでは相変わらず「日本はすごい!」なんてコンテンツが幅をきかす。本当に日本ってすごいの?少なくとも入管の問題や技能実習生の件に関しては誇れる話じゃないですよね。
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