ナツメロ
20代の頃に接していた歳上の方々が、自分の青春時代に熱中したアーティストや音楽しか聞かない事を不思議に思っていた。「リアルタイムで素晴らしい楽曲やバンドが生まれているのにもったいないではないか!」ってね。でも、今はその理由がよくわかります。記憶の彼方に追いやっていた曲を30年振りに聞いた時の高揚感、沸き上がる感情は、それはそれで大事なもの。
クラウドミュージックサービスのお試し期間にそんな感情を揺さぶられる体験をして、気が付けばあの頃の音楽を漁る自分がた。例えば尾崎豊やTHE BLUE HERTSにBOOWYなんかは折に触れて耳にする機会も多く、ずっと側にあった感じなので、その感情をどうにかするスイッチとしての役割は薄い。問題は当時は特別好んで聞いていたわけではないけど、耳にしていた音楽。又はCD化の際に離ればなれになってしまった音楽達。(レコードレンタルで借りてカセットに録音していただけだったとかね)そんな中からいくつか紹介。
チェッカーズ 「ひとりじゃいられない」
自分ではじめて買ったレコードはザ・チャッカーズの「神様ヘルプ」でした。そのB面の曲「ひとりじゃいられない」は大好きでね。「バラードっていいなぁ」と小学生ながらちょっと大人になった気分を味わっていたのかも。オリジナルアルバム「絶対チェッカーズ」や「もっとチェッカーズ」辺りを探したくなった。
杉山清貴 「タイをはずして」
ソロセカンドアルバム「realtime to Paradise」収録曲。尾崎豊やブルーハーツにハマる前に大好きだったのは杉山清貴&オメガトライブで小学生の頃。この曲は、大学自体の友人と久々に再開した仲間達との夜、また新たなチャレンジを決意するって曲。漠然とした大人の恋愛や仕事に憧れを感じてたんだろう。尾崎豊の好きな曲「坂の下に見えたあの街に」もそうだが、帰路に立ち、振り返り、でも前へ踏み出す的な曲が好きで、頼りないローティーンの自分の現状と、それでも自立したいと願う気持があったのかもしれない。
中森明菜 アルバム「D404ME」
はじめて買ったシングルレコードが「神様ヘルプ」なら、はじめてかったアルバムは中森明菜の「D404ME」でした。なんとカセットテープです。物置にあった父親の古いステレオを自分の部屋に置くのは中学に入り子供部屋が弟と別になってから。それまでは買ってもらったオートリバースでもダブルデッキでもないラジカセが友達。それとウォークマンじゃないAIWAのポータブルカセットプレイヤー。それで聞くのにカセットアルバムを買ったんでしょうね。忌野清志郎作詞作曲の「スターパイロット」はイヤホンで聴くと頭の中(耳と耳の間)を打ち抜くような電子音が気持いいし、名曲「アレグロビバーチェ」などを収録。もうクラウドで聞いた時は泣きそうになりました。小学校の修学旅行でもこれを聴きながら寝たっけな。アルバムを通して世界感、コンセプトみたいなのがあるんだと知ったのもこれ。
大江千里 アルバム「Sloppy Joe」
引越の時に出て来たCDアルバム。中学時代特有の勘違い成分多めの淡い想い出がココに。ベストアルバムなんだけどシングルコレクションでもなく、ボーカルも撮り直していたり、リマスタリングしてたりと力が入っていて、今では当たり前のシングルコレクションとは一線を画す作品だと思う。
それ以外にもたくさん。面白いのは当時、そんなに好きだと意識してなかったけど聴いたら何かのスイッチになってたりする曲もある。河合その子「涙の茉莉花LOVE」とかたまんないんだよな。妻は高校の同級生なのでこの辺の曲に共通の想い出はないが、お互い別々の想い出を抱えつつ「懐かしいねぇ」なんて言いながら一緒に口ずさんだりして、それはそれで幸せなことですね。
この辺の曲を改めて自分のミュージックライブラリーに加えようとショップに走っても廃盤になってたりで全て手に入る訳もなく、 レンタルショップに行ってもベスト盤(シングルコレクション)はあってもオリジナルアルバムまで置いてる訳ではない。ダウンロードで買えるのもあるけどパッケージで欲しかったりするんだよな。とりあえずココで挙げた中で手元になかったのはD404MEだけ。Amazonでリマスタリング版を買えました。その他中古CDショップでいろいろレスキューしたいと思います。
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