君がいるということ
毎日の出来事をこなすだけの私にとって、君がくれた桜の木を見る事は
唯一癒される時間だった
綺麗な花が、いつの間にか咲き満開を迎えた
小さな桜の木は、自分の持っている力で一生懸命に咲いていた
やがて花びらが散り、痩せていく時に既にあの輝きは無かった
それから私は、木をさすり、声をかけ、日に照らし、水をあげ、新しい次の成長を待つ
君の体は、根強くしっかりとしていて、ゴツゴツ男らしい
しばらくすると、花が散った枝には若い緑の葉が見えてきた
可愛い小さな葉は、濃い緑の葉となり湧き出るほどに広がっていく
私は毎日、葉の伸びる事が新しい楽しみとなる
きっと、それは君が隣にいるということ
息をしているし、成長している
返事をするし、答えてくれる
私は、君と一緒に生きている
君は、これからまた第二の人生を歩むのであろう
私は、一度の人生の最後に向かって歩んでいく
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