懐かしさ
この匂いって。。。
通り過ぎた後から 香るこの匂い
すれ違った女性から香ってきた
私は郵便局に用事があったので 普段とは違う道を たまたま歩いていた
小走りで通り過ぎていくあの人は 子供を送り出して仕事へ向かう途中なのか
朝は 歩く速さも早くなる
残されて香る匂いは とても懐かしくて
そして心地よくて
幼い頃 泣きながら幼稚園に行く私を母は宥めて行かせた
「夕方、ちゃんとお迎えに来るから」
そう言って 母は振り向くこともなく仕事に出かけた
今なら分かるのだけど 振り向いたら足を止めて引き返してしまいそうになるからだということ
あの匂いは 母がつけていた化粧品の匂い
優しく抱きしめてくれた時に 香る母の匂い
そろそろ13回忌を迎える母
いつも どこかで見ていてくれているのだろう
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