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【あと3日】八月のラーメン屋に理科教師の背

俳句ポストに投句しそびれた一句を、ここで供養します。チーン

兼題は「八月」でした。八月。難しかった。全然浮かばない。ありがちな「類想」すら出てこない。苦しみました。

そんなとき、ふと、娘の中学時代の先生の話を思い出しました。

とある休日、先生は同僚の先生と一緒に、街のラーメン屋さんに入ったそうです。どちらも若い男性なので、こってりしたラーメンを、しかも定食で食べてそうなイメージがあります。真相はしらんけど。
そこに、自分の担任のクラスの女子が入ってきたそうで、先生は大変気まずい思いをしたと話されていました。女子はもちろんお年頃ど真ん中ですが、先生もまだまだお年頃なんですね。何かカッコつけたかったのか、単に「オフを見られてしまった」という気持ちだったのか。あとは、生活圏がバレたという危機感だったのか。今の時代に先生という仕事をするというのは、けっこう大変なことなんだなあとしみじみ思ったので、私もしつこく覚えていたんですが。

貴重な休日に、街の普通のラーメン屋さんでラーメンをすすってるところを、はからずも生徒に目撃されてしまう先生はいたたまれなかったと思うけど、目撃した生徒の方は、先生の姿をどんな目で見ていたんだろう。

生々しいものを見てしまった。

そんな気持ちになったかもしれない、だって、お年頃だし。
しかも見たのがラーメン屋っていうね。
先生って、私生活が謎じゃないですか。休日まで「先生」してそうな気が、子供の頃の私はしていました。先生が「先生」じゃなくなる日があるなんて、全く想像できなかったのです。

今どき「教師=聖職」とは思わないけど、でも「先生」っていつまでも不思議な存在だと思います。人間にものを教える人間、という存在があることがすでに不思議。あと、先生って一生教え子の名前と顔が一致するらしいですね。私は、保育園のときの担任の先生がアラサーの私に気がついて声をかけてくれたことがあります。先生とは本当に不思議です。

そんな不思議な生態の「先生」も、あっつい夏にラーメン屋で、たぶん無言でがっつりしたラーメンをすすっている。きっと額には汗がうかんでいて、ちょっと丸めた背中もなんとなくじっとりしている。暑い。とにかく暑い。先生も、見てる生徒も暑い。
ラーメン食べてるときはみんな暑いんだよな。先生も生徒も関係なく、暑い。八月だし。

その感覚からできた俳句でした。字余りだけど挑戦してみたいな、と思ってたのに、気がついたら投句締め切りを過ぎていました。うっかりうっかり。


寝る前にストレッチ。

#なんのはなしですか



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