伝統的工芸品 赤間硯
私たち「書」を書く人間にとって無くてはならないもの。それが文房四宝といわれる筆・墨・硯・紙です。
宝というくらい大切なものであり道具のことを知らなければ字は書けんやろう。
ということで、筆は広島、墨は奈良、紙は岐阜に足を運んで見て歩いたわけですが、硯だけは未だにどこにも行ったことがありませんでした。
硯は中国の端渓硯が有名で、私も20年愛用している硯が二面あります。
どちらも母からもらったもので、普段はこれらを使っています。
和硯(日本の硯)でいうと、宮城の雄勝硯が手元にあり、それは篆刻用の朱墨で使用。
他に和硯は持っておらず、もう一面あってもいいなぁ。そう思って、山口の赤間硯の産地に行ってみることにしました。
日本にも硯の産地がいくつかあります。赤間硯はそのうちの一つです。代表的なところでいうとこの辺りになるでしょうか。
宮城(雄勝硯)
山梨(雨畑硯)
高知(土佐硯)
対馬(若田岩硯)
山口(赤間硯)
赤間硯の原石は六千万年以前の白亜紀に噴火により噴出した岩粉が積もり、固まってできたものだといわれています。
電話をして行ったら1人の男性の方が出迎えてくださり、工房を案内してくださいました。
このような原石を山から採掘し、裁断し、手作業で削っていきます。
柄の先端を鎖骨の横あたりにあてて、力をかける。Tシャツの色がそこだけ薄くなっていました。
石を手で削るんですからね😅
そりゃ大変ですよね。
硯の石質、墨の粒子や相性の話、泥砥石との関係性などなど、へぇ〜と思うことばかり。
岩石や鉱物の話にまで広がっていくので、話を聞いているだけで面白い。
ところで、何故つるんとした硯で墨が磨れるのか?それは硯の表面には肉眼ではわからない細かな凹凸があるからなんですよね。
その目に見えない凹凸を鋒鋩と呼びます。
この鋒鋩がしっかりしていないと墨は磨れないのです。
しかし硯は実際に使ってみないと鋒鋩の強さがわかりません。ということで、一面買ってきました。酸化鉄が含まれているため、硯がかなり赤っぽいです。
墨はしっかりおります。まずはこれが大切。
発墨もよい。
硯は墨との相性があると思っているので、私が持っている墨たちとの関係や鋒鋩の強さはこれから使い続けてみないと判断できない部分です。
磨った墨で半紙を書きました。イタチ筆を使用。イタチはどんどん値上がりしているので、墨汁では勿体無くて使えません。。
イタチは非常に書きやすい筆です。全書体書けます。勿論、仮名も。
今回は写真ばかりになってしまいました。
他の文房四宝についてもいずれ書いてみたいなと思います。
実際に使って、日本のモノづくりへの理解を深めていきたいです。
〜余談〜
帰りは山陽小野田の「ドライブインみちしお」に寄り、貝汁をいただきました。
みちしおといえば、これ。
広島や島根のスキー、スノボの帰りには必ずみちしおの温泉♨️+貝汁。
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