ジャネット

パリ在住。映画、映画館、文化政策を呟きます。

ジャネット

パリ在住。映画、映画館、文化政策を呟きます。

マガジン

最近の記事

パリのカルチェラタンで今村昌平を観る

パリジャンがパリからいなくなる時期が今年もやってきた。ニュースはコロナウイルス第二波の話で持ちきりだけれど、それでもみんな南や西や海岸目掛けて出発していく。オフィスでも、「あなたは来週から?」「僕は明日朝の電車で南に行くよ」「じゃあ次に会うのは9月ね」といった会話が飛び交う。7月最後の金曜日の今日、パリにパリジャンの気配がない。 そんな7月の最後の華金に、カルチェラタンで今村昌平監督の『黒い雨』(1989年)を観てきた。パリのオデオンにあるFilmothèque du qu

    • 待ちに待ったパリの映画館の再開

      コロナの話題でフランスがざわつき始めたのは3月頭だった。少しずつ冬の寒さが和らぎ、通常ならテラスが人で賑わうはずの時期に、人気の無いパリの街並みは不気味だった。遂にフランスにも来たかと思いながら、レンヌ通りのL’Arlequinまでルキノ・ヴィスコンティ監督の『白夜』(1957年)を見に行ったのは3月10日のことだった。 その後3月12日に行われたマクロン大統領の演説により、4ヶ月にわたって扉を閉めることになったパリの映画館。長い休業期間を経て、既に再開していた他の大都市を

    パリのカルチェラタンで今村昌平を観る

    マガジン

    • パリ映画事情
      0本