歌とダンスで怪異と勝負!(しない)(レビュー:『ミンナノウタ』)
オススメ度:★★☆☆☆
本作は音の怪異である。「呪いのビデオテープ」が見ると呪われて死ぬように、カセットテープに入ったメロディを聞くと呪いを受けて神隠しに遭う。『ミンナノウタ』と題されたその作品を作ったのは、当時女子中学生であった故・タニヤサナ。清水監督としてはタニヤサナを伽椰子のような新たなホラーアイコンにしたいのだろうな、という感覚を見ていて受けた。
続編の『あのコはだぁれ?』も、どうやらタニヤサナを怪異とするホラー映画らしい。やっぱりホラーアイコン化したいのであろう。
本作だが、キーとなる呪いアイテムである『ミンナノウタ』の成立過程や、それを追っていく調査パートなど、探偵系ホラーとして楽しく見れる部分も多い。タニヤサナはホラーモンスターとしてのパンチはまだ弱いが、「不思議ちゃんだと思っていた女子中学生がガチのサイコさんで、みんな(自分含む)の断末魔を集めて呪いテープを作った」という設定も悪くない。『ミンナノウタ』というタイトルもなかなか皮肉が効いている。
一方で、見ている時の分かりづらさや満足度の低さは問題だ。一つには、起用されているGENERATIONSの面々の呪いとの関わり方の弱さにあるだろう。
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