きさらぎ駅級の実力派ヒロイン(レビュー:『N号棟』)
オススメ度:★★★★☆
われわれホラーファンはAmazonレビューの星の数などアテにはしない。というのは、一般視聴者のホラーの楽しみ方とわれわれの楽しみ方は相当に乖離しており、彼らの言う「つまらない」を真に受ける必要がないからである。
例えばだが、『Not Found』シリーズの傑作『いま、霊に会いにゆきます』などは一般人が見て楽しめるとは全く思えない。おっさんが歩いたり、居酒屋で酒を飲んだりするだけの内容だが、これでもちゃんとホラーなのだ。かなりメタ的な作風なのでこれを楽しむにはかなりの素養(ホラー映画に費やした時間)が必要となる。
とはいえ、Amazonの星平均が2以下になると流石に警戒してしまう。素養の問題ではなく、そもそも作り自体が不出来な可能性があるからで、星2の『N号棟』にも相応の警戒心を抱いていた。地雷を踏むつもりでわれわれは視聴を始めたが、見終わった結果としては……
「やっぱ一般人の評価などアテになんねえな!」
これである。
本作で描かれているのは、いわば「社会型の呪い」「組織化する呪い」とでも言うべきものであり、これは呪い表現のバリエーションとして、かなりの新機軸であろう。
本作では元ネタとして、2000年の幽霊団地騒動が使われている。
あらすじにある通り、この団地が廃墟となっており、そこに映画撮影のロケハンに訪れた大学生三人組の話なのだが、そこにはなぜか
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