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雑記:表現規制慎重派の神谷貴行氏、日本共産党から除籍される

 ギョッとするニュースが飛び込んできた。

 と言っても、これに関して興味を抱く人は少ないかもしれない。「松竹さんみたいなこと?」「日本共産党が内々でゴタゴタしてても特に関係ないし……」そう思うかもしれないし、実際私も日本共産党に対しては大した知識も関心もないのだが、それでも神谷貴行氏(PN:紙屋高雪)の名は以前より知っていたし、これには驚いてしまった。


■表現規制反対派としての神谷貴行氏


 昨今ではすっかり表現規制に血道を上げていると思われる日本共産党であるが、私が神谷氏の名をどういう文脈で聞いたかというと……、

「いやいや、日本共産党も中の人は様々で、表現規制反対派もいるんですよ。例えば、神谷貴行さんとか」

 こういう流れで名前の上がる人物なのである。

 そもそも日本共産党は戦前・戦後を通して、まさに表現により公権力から叩かれ続けた政党なわけで、その日本共産党が表現規制に乗り出しているのは傍からは自殺行為としか思えない。もちろん彼らもそれを認識していないわけではないので、実際、神谷氏のように表現規制反対派(慎重派)もちゃんといるわけだ。

 例えば、「杉並区の公有地でのAV撮影禁止を求める陳情」には共産党もきちんと反対している。この辺りのスタンスについては後述しよう。

 さて、今回、なぜ神谷氏がパージされたのかだが、以下のポストが短くまとまっており、参考になろうか。

 日本共産党からの公式発表は以下となる。

 神谷氏の発言を時系列に沿って整理したものもあったので、詳しく見たい方はこちらを。

 どうやら問題の根幹は松竹問題にあるようだ。松竹氏は共産党の「党首公選制」を書籍で訴えたことが分派活動とみなされて除名された(と私は認識している)。神谷氏はこの除名に反対したが、その反対は議論の中で多数決により否定された。議会の中で決を取って決まったことなので、神谷氏はそれに従ったようだ。

 と、ここまではごく普通の話だと思うのだが、その流れをブログに書いたことが原因となって、今回のパージへと至ったのである。

 どのように「新しい」のかといえば、党の機関(地区委員会や都道府県委員会)の指導部の中に「異論」を持ち、それを会議で発言し、態度として「反対」「保留」を表明し、引き続き指導部として活動するという人が「当たり前」に存在するようになった時代だからです。

 党内の会議で、中央の方針に異論を唱える人は基礎単位(支部)段階ではよく見ましたし、地区・県の会議でも発言の一部程度にはよく見ました。しかし、正面から方針の削除、賛否の表明をする人は、これまであまりいませんでした(いないわけではない)。さらに、そうした異論が組織的・人間関係的トラブルと結びついていなくて、引き続き党にとどまり、地方の指導的なポジションで党活動を続けているということもほとんどなかったのです(関係がこじれて離党したり、そのついでの共産党への批判をたくさん述べるという人はいた)。都道府県委員会の常任委員レベルではかなり珍しいのではないでしょうか。
(中略)
 そして、私は組織的に排除されていません。

 日本共産党の党内民主主義は機能している、と私が実感をもって言える一つの証拠にはなるでしょう。

 しかし、だとしても、それは一つのケースに過ぎませんし、システム全体を見ればそこに問題や課題がないわけではありません。決して小さくない、不十分な点がいろいろあります。

 神谷氏は上記ブログにて、「指導部である自分が異論を述べられることが民主的」「日本共産党の民主主義には問題もあるけど、民主主義自体は機能している」「自分がパージされてないのがその証拠」と書いていたが、皮肉にもこれを書いたことが原因となって除籍となってしまったのだ。それが傍からどう見えるかは明らかであろうに……。

「党外の一般市民」である私の目からは「とんでもねえ政党だな……」となっていることは書き記しておこう。

■表現規制に関する共産党のスタンス


 さて、表現規制に関する共産党のスタンスについてだが、これに関してはこちらの記事が参考になった。

 有料記事なのでかいつまんで紹介すると、

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