シリアルキラー攻略法!?(レビュー『みぽりん』)
オススメ度:★★★☆☆
さて……だいぶ評価の難しい作品が来てしまった。
Amazonのあらすじが極めて短文なので、もう少し補足する。本作はとてつもなく音痴の声優兼地下アイドルのユカが、メンバーのリナの勧めで山奥にあるボイストレーナーを尋ねるが、そのボイストレーナー「みぽりん」はどこが様子がおかしく、また、家には謎の人影が見え隠れし……といった話である。
ネタバレをすると、みぽりんはリナの姉。みぽりんの母親が毒親であり、娘にアイドルになることを強要する「変な教育ママ」であった。その母親を射殺した(?)みぽりんは歌は上手いのだが、アイドルに対する異様な潔癖性とアイドルへの軽視を両立させる複雑な精神障害(?)を発症しており、薬物に頼っている。母親に強要された「あるべきアイドル像」に縛られつつも、母親の強要への反発から妹のリナには「アイドルなんか辞めて普通の結婚をするべき」と説くような人物である。
そんな異常性を持つみぽりんによるボイストレーニングは段々と常軌を逸していき……という内容なのだが……。
評価は難しい。まず低予算であることから、みぽりんが「常軌を逸していく」描写にそれほどの力はない。『オーディション』のヒロインから受けたとんでもねえ恐怖に比べると、みぽりんの異常性はだいぶおとなしいと言わざるを得ない。だが、仮にもう少し資金があって恐怖描写を豪華にできたとして、それでも、このロケーションで、こういった人物が、監禁のようなことをしてくる恐怖は、おそらく想像の域を出ないだろう、という感覚がある。
ただ、本作で一点、明確に評価できる点があり、それは「みぽりんの対処法」だ。終盤でユカを探しに来たプロデューサー、マネージャー、追っかけファンまでがみぽりんの手にかかり、ユカ共々、監禁・拘束されてピンチへと陥る。この手の映画での真骨頂とも言うべきクライマックスだが、ここからの展開は新鮮だ。
完全に異常者と化したみぽりんに対し、なんとプロデューサーが
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