
日記:社会保険料、ジークアクス、漫画家飲み会
毎週月曜はホラー映画感想であるが、昨日見た『戦慄怪奇ワールド コワすぎ!』は過去に視聴済みであり、その時にレビューも書いている。
改めて読み返しても大きく付け足すことはないので、本日は毎週月曜のホラー映画レビューを変更して、今回は日曜のアレコレをつらつらと書く日記へと変更したいと思う。なお、本日記には『ガンダム ジークアクス』のちょっとしたネタバレが含まれる。あわせてご了承頂きたい。
・社会保険料を引き下げる会
社会保険料を引き下げる会。会場は60名程度ですが、オンラインで80名以上が参加して約140名参加の大盛況!質疑応答でも挙手が止まず、医療関係者の参加も多数。地元代議士の阿部司衆議院議員から祝辞もありました。
— おときた駿(音喜多駿) / 社会保険料引き下げを実現する会代表 (@otokita) January 26, 2025
医師のくず先生 @premiumrarara… pic.twitter.com/1AFNMImD5m
音喜多氏の「社会保険料を引き下げる会」の政治集会に参加してきた。
最初に私の立場を説明しておく。社会保険の現状も社会保険料の値上がりもやばいと思ってるし、「租税法律主義どうなってんだよ」という感覚も持っている。そのため基本的には社会保険料は引き下げるべきだと思っているが、一方で、何かを犠牲にしなければ引き下げはできないわけで、その「何か」とは何が適切なのか……を見極めたいと思っている。なお、支持政党は現在は国民民主党だが、個人単位では自民党、立憲民主党、維新にも応援している政治家はいる。
で、今回の話を聞いた所感としては、
「これはタフな議論が必要になるな……」
という感覚を受けた。くず氏の説明を受けた限りで思ったこととしては、今回の議題の医療に関する問題のコアは、
1. 高騰する医療費
— くず (@premiumrarara) January 26, 2025
①高齢化
②青天井医療と安すぎる自己負担
③医療介護訴訟
④「比較的」低下値医療の薄利多売
医療機関のガラパゴス化
2. 享受できる医療の世代間格差
①医療逼迫とトリアージ
②高額療養費制度
3. 穏やかでない終末期
「寝たきり大黒柱」
以上、目録です。
病院側の経済合理性と医療介護訴訟リスクの回避を考えると、提供する医療は「全部盛り」が一番ラクであり、費用対効果を考える必要性がない……つまり、効果の薄い医療を、医者から患者に「やらないよう誘導する」ことの動機付けがない……といったあたりであろうか。

特に高齢者は自己負担が極めて少なく、ほぼ公費(税金)で賄われるので、高齢者からしても「(効果が薄くても)やれることがあるならやりたい」となるし、病院側も「訴訟リスク回避できるし(お金になるので)やりましょう」となってしまう。
制度があって、それに応じて現場のプレイヤーが動くのだが、その実際の現場の動きが理想的ではなく、制度設計によるコントロールが十分に機能していない。制度の改修を阻むものは医師会であったり世論であったりして、タフな議論によって、そこの合意をなんとか取り付けていかねば改善が見込めない状況と言える。
ただ、難しいのは、やはり医療は人の心情が大きく関わる事柄であり、大局的な「正解」も、個別的に見れば心情にそぐわないことが多いことだ。
「限界を超えた医療の現状」
— くず (@premiumrarara) January 26, 2025
問題提起を中心としたお話です。
質疑応答も含め、YouTubeで限定公開中。https://t.co/PI5D0E8tVd https://t.co/cbmuYoIgWp
イベントの内容はYoutubeでも全編アップされているので、興味があればご視聴頂きたいのだが……
↑で私が質問しているのだが、これは「自己負担の低い高齢者が「受診しすぎ」という問題があるのは分かったが、東京都では子供も無償で医療が受けられる。これも高齢者の問題と同じく問題視するべきか、それとも少子化の現状を考えると、これには目をつむるべきか?」というものだ。
これは私自身の実感もあるのだが、やはり無償だと、かなり気軽に病院に連れて行ってしまう。ドラッグストアで子供用の風邪薬を買うと1000円掛かるが、病院に行けば医者がきちんと判断をしてくれる上に薬ももらえて、それが無料である。となると、経済合理性からも、親の心情からも病院に行ってしまう。
これはあまり良くないのでは……と思う気持ちもあるが、一方で、心理的にはすごく助かっている。特に子供が小さい頃などは、子供の体調が少しでも悪くなると、かなり不安になる。そういう時に「無償で」「気軽に」受診という選択肢があることは、心理的な子育てのハードルがかなり下がっている。
また、現在はXなどで「子育ての負担」を訴える言説が頻出しているわけで、これらによって出産を躊躇するムードが生まれている。そこに「経済的な厳しさから受診を迷っていたら子供が死んでしまった」などの実例が出て来ると、たとえそれが一件や二件であっても相当の社会的インパクトとなり、出産を忌避する感情がさらに高まるだろう。そういった諸々を含めて「目をつむるべきか?」という質問であった。
くず氏の回答としては、「無償はモラルハザードを招くので大原則として反対」ではあるが、「少子化を鑑みれば大目に見ても良いのではないか……」というもの。音喜多氏の(医療維新での議論を通じた)見解は「原則論としては無償化は良くないが、高齢者層と全面戦争をする上に、子育て現役世代まで敵に回せばとても戦えない」という認識の下、戦略上、医療維新としては子供の医療無償化は呑んだという。
大局的な「正解」としては、子供の医療も無償化すべきではないのだろうが、上記のように個人の心情にまで寄り添っていくと、なかなかそうとも言い切れない。これは高齢者にとっても同じだろう。「極めて高額かつ症状の進行を五ヶ月遅らせるだけの癌の薬を高齢者に使うべきか?」などの問題も出たが、仮にその時の私の状況が「5ヶ月後に孫が生まれる」なら、私はたぶん使うだろうし、これが税金で支払われることに感謝すると思う。
大局的な「正解」を徹底するためには、そういった個別具体的な「悲しみ」を踏みにじる必要がどうしてもあるわけで、これを成し遂げるには、やはり「タフな議論」しかないのだろう。タフに議論を通してそういった個別的な悲しみを受け止めつつも、「正解」を貫徹する。このプロセスを軽視すれば分断を招くだろう。ただ、そのプロセスの最中で本来のコンセプトが骨抜きになる可能性も否めないし、タフな議論をしている時間的余裕があるのか……という問題もある。
やっぱり難しいな、これ。
・ジークアクス
みんながネタバレにめちゃくちゃ気を遣っていて、私が「まだ見ていない」というと、途端に会話が打ち切られる……。そんな話題の映画を見てきた。(以下、ネタバレあり。とはいえ、大した話ではない)
ここから先は

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?