5周年
先月26日で開店から5周年となりました。ありがとうございました。
にも関わらず、
肝心な当日に風邪引きで臨時休業とさせていただくこととなり、5周年をお店で直接祝うことができない悲しい日となってしまいました。。
わざわざ来てくださろうとした物好きな方がいらしたかもしれませんので、
ここでお詫びいたします。
例年の如く近況です。
昨年10月の消費増税に合わせて、
時間制を設けることにしました。
今行っている「時間制」とは
・通常のオーダーであればご提供完了から1.5時間制
・それ以上滞在されたい方は別途ある長時間コースを選択
・ご提供から滞在時間が30分以内の方には短時間割引
を指します。
この「時間制」については
開店間もない頃からずっとやりたいと
考えていたことでした。
なぜか?
前回の「Q&A」 内にもあるように
お店で提供したい価値は飲食物よりも
「ここで過ごす時間」
だからです。
※「良い時間を過ごす」ために「味わい深い飲食物」も重要な要素であるのは確かですので、そこに手を抜きたいわけではありません。一応。
この提供したい価値から考えると、
お店としては長く過ごしたい人からよりお金をいただきたい、支えてもらいたい訳です。
これを飲食店という枠組で考えると、
滞在される時間に比例して多く飲食していただくということになります。
さらに言えば短時間にたくさん飲食してくれるほどありがたい。
目的が飲食だったらそれで良いのですが、時間を過ごしてもらうことを目的にした場合に今までのままですと、お腹も減っていない/喉も渇いていないにも関わらず追加注文を要求することになります。
それならいた時間によって価格が変わる方が分かりやすい。
開店間もない頃からそう思っていたにも関わらず、ここに至るまでにそれができませんでした。この理由は私の中で納得感のある価格設定ができず、それにあった体験イメージもできなかったためでした。
例えばよくある漫画喫茶やカラオケのように時間によって幾らという決め方もありますが、
・時間(時計)が気になってしまう
・飲食物は別途注文
という点が引っかかっていました。
1つ目については、
元々ゆったりとした時間を過ごしていただくためにお店にはあえて時計を置いてません。
それなのに時計を置いてそれをチラチラみる体験に変えてしまうか、
時計をないままで「あ、もうこんな時間」という体験にするか、どちらがいいか?
私は過去に後の方で豊かさを感じられたことがあった(他のお店で感じられた)ので、時計は置かないままという選択肢を取りました。
でもそれに程よい時間はどのくらいなのか?
これについては決められる材料を全く持っていなかったので、来店された方の注文時間、提供時間、退出時間を記録することにしました。
これは混み合った際にどなたから席を空けてもらうかを順位付けするのにも役立ちました。
およそ1年半くらいは取っていたと思います。ほとんどの方が1時間から1.5時間くらいで退出され、それより長くいる方は追加注文される常連の方がほとんどでした。これでようやくご提供から1.5時間が妥当と決めることができました。
この形のメリットは普通にカフェ/喫茶店にいる感覚と変わらない感じで過ごしていただけることです。
普段お店で過ごす時間の範疇を大きく超えるものではないので、1.5時間ならば「あ、もうそんな時間か」と感じられる方がほとんどのはずです。
そして時間の設定は「ご提供から」なのでお店が混み合っていて仮にご提供に時間がかかったとしても、滞在できる時間には影響はない、むしろその分長くいられるということになります。
次に違和感2番目の「飲食物は別途注文」について、要するに時間と飲食を分けた価格を作ると
「今日支払う金額って結局今は一体いくらなんだろうか?」
がわかりづらくなるんですよね。
そのデメリットを過去に感じたことがあり、わかりやすい価格構成にしなければいけないと感じていました。
これは結論シンプルで、
今まで通りの飲食物に対しての値段を設定したまま何も変えませんでした。
色々こねくり回して考えましたが、これ以外にわかりやすいものはありませんでした。
これで気になった2点はクリアできました。
これらを考えてみた結果、滞在時間に上限を設ける(いた時間に対してお金をいただく)ことにしたので、逆に早く退出される方に対しては割引すべき、ということに気付きました。
早く退出される=お店としては回転率が上がることを意味しますので、そこへの感謝という意味合いもあります。またお店と相性が合わない場合、早く出られた方がお互いハッピーなので、そこへの感謝でもあります。
但しこの割引はオペレーションを複雑にしている側面もあり、現在は15時までに退出される方にのみ限定した適用となっています。
というわけで
パッと食べてサッと帰る方は早めの時間に来ると割引がありますよ
とご認識いただければと。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
なぜこの考えたプロセスをこうして書いたかというと、きっとお店で同じような価値を提供したいと考えている方はいるはずだと思うのです。
こんなレアな考え方が果たしてどのくらい役立つかわかりませんが、誰か知らない奇特な方に向けて、私はこんな風に考えましたよという、いつかの誰かへのメッセージとして、そして私自身の振り返りとして、これをまとめておくことにしました。
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