【ネタバレ】「母さんがどんなに僕を嫌いでも」〜kaf
主の劇場で見逃しシリーズのうちの一作。
劇場に貼られていたポスターを見た時点で「主が見たい仲野太賀さんが見られる映画だ」とわかるデザインに惹かれていた。(…と言いつつ見逃すことになるのだが。)
この日本にある様々な圧力、皆様よくご存知のことと思います。
上司、取引先、先輩…だけでなく部下や後輩に至るまでお互いに無意識に必要のない圧を与え合って、日々辟易していることと思います。
主の個人的な見解ですが、仲野太賀さんはそういった圧に耐える、もしくは耐えられず潰れてしまうといったような役をやったら日本一だと思っている。
そこにきて今作のポスター。
惹かれないわけがなかった。
吉田羊さんの表情も素敵でした。親子なんだけれど、決定的に噛み合わない部分を持っていて、でも他人というには距離が近くて…という絶妙なニュアンスの空気感。
何故見逃してしまったのだろう…
また相変わらずCATVで放送されたものを視聴。
素晴らしかったです。
主人公・タイジとその母・光子の関係が現在と幼少期を反復横跳びしながら前半で丁寧に描かれる。
幼少期のタイジを演じた子役の小山春朋さん、素晴らしかった。
演技というのか表情というのか、それともご本人の人柄なのかが醸し出している、良くも悪くも懐の広いタイジをチャーミングに演じていらっしゃった。
中盤以降、高校生のタイジは仲野太賀さんが演じられていた。
やっぱこの方、凄い。
極端に不幸が訪れるシーンでも、決して不幸に飲み込まれていない。不幸の滝を全身で浴びながらも真っ直ぐ立っている。
主はその姿勢に心を動かされるのだと思う。
吉田羊さんも本当に素晴らしい女優さんだなと思う。
上述のとある極端な不幸が訪れるシーンでの吉田羊さん…心がザワザワしました。
「もう自分で自分のことをコントロール出来ないの!」と言わんばかりの息遣い。
正直、このシーンの吉田羊さん演じる光子さんの顔を見てるのが辛かった。
作中、ある意味ヴィラン的な立ち位置の光子さんだけど全てを憎むことが出来ないと感じたのは何故なんだろう。
タイジから見た光子さんを丁寧に描いていたからこそなのかな。
その他にも魅力的なキャラクターが沢山出てきます。
個人的に森崎ウィンさんがツボでした。
好き嫌いが分かれそうというより、嫌い派が多数派だろうなという人物を心底楽しそう〜に演じていらっしゃって…。笑
でもこういう人いるよなって思う。
主は、様々な多方向からの余計な圧に苛まれる仲野太賀さんを見られて大満足。