【ネタバレ含む】それでも、生きてゆく〜rap
2011年放送
「Mother」
「それでも、生きてゆく」
「Woman」
が、私にとっての坂元裕二の名作三部作と思っているが、久々に観た「それでも、生きてゆく」がダントツトップだ。
「Mother」は毎週リアルタイムで観ていた。ドラマを観て毎週声を出して泣くという経験は久々だったと思う。
「Mother」はこれまでは坂元裕二名作三部作のトップだった(私調査)
「それでも、生きてゆく」は被害者家族と加害者家族を描いている重いテーマで、軽々には観返すことができなかった。
時間が経つと、水辺の家の小窓から髪ボサボサの瑛太が外を見ている画が印象に残る作品だと思っていたが、実はこの画こそが作品のラストに繋がるシーンではあった。
新しい一日、朝日を見て、(辛い日々もあるけど)それでも、生きてゆく
辛すぎる現実の連続だが、その中にもほっこり安らぐ瞬間もある。その緩急が坂元裕二。
キャスティングも素晴らしい。
全てのキャストが完璧以上の芝居をしている。
だけど、やっぱり脚本がいい。
例えば、幼い娘を殺された被害者の母が、誰にも言えなかった思いを加害者の妹に、それとは知らずに語るところ。
「誰にも話せなかった思い」を「加害者の妹として何ができるのかを考え続けて生きてきた妹」には語ることができた。
被害者の兄と加害者の妹が、ちょっとぎこちないけど、クスッと笑えるコミュニケーションを紡ぐ。ふたりがある時点で徹底的に人生を損なわれ、そんな中でも生活を確実に前に進めてきた。そんな経緯がわかる、笑いや希望を失わないように頑張ってきたことが滲み出る会話。
自分も若い頃無茶していたからと言って更生施設を出た若者を雇用して、社会復帰に尽力する果樹園主。被害にあった娘がICUにいて、まだ面会もできない、傷害事件として刑事達が面会に入ろうとした時、周りが「親もまだ面会できてないのに」と抗議するのを「いいから。いいから。」と制止する場面。
例を上げるとキリがない。どのシーンも印象的。どのキャストにも感情移入した。
ラストの静かで明るい朝の光。新しい一日、朝日を見て、(辛い日々もあるけど)それでも、生きてゆく。そんなメッセージをしっかりと感じた。
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