「キツツキと雨」〜rap
私が体調を崩して仕事を休んでいた時、繰り返し何度も何度も観ていた映画。
久しぶりに観てみた。
なぜあの頃繰り返し観ていたのか。
与えられた場所で淡々と働く男たちと、一つの目的に向かってたくさんの人が働く映画撮影の現場。
その対比、両方の充実感を感じていたのかもしれない。
何をしたいのかわからない若者と、それに苛立つ父親や先輩たち
子供への苛立ち、もどかしさに悩むことは実体験としてはなかったけれど、「やりたいことありません」「これから先どうやって生きて行ったらいいかわかりません」って言う若者にはたくさん出会ったから、ラストには父が息子を理解し、息子も親の考えを素直に受け入れて、、、と言う流れに安心して、擬似体験として克さんに感情移入して観ていたのかもしれない。
克さんは静かな山間の地に住んでいて、好奇心旺盛で、友達や新しい人達とも心を開き毎日を楽しく暮らしている。悩みや苛立ちもあるけれど、それだけではない、楽しむ力で生活を彩る。そんなところに共感を覚えたのかもしれない。
若い才能ある映画監督の苦悩にはあまり寄り添わなかったところが自分らしいと思う。
やりたいことを持っていて、その上での苦労は良きものと考えているから。
映画の主題歌「フィルム」がとてもよかった。
「声をあげて飛び上がるほどに嬉しい」ことがこれまでもあったし、これからもあると信じている自分を上書きしたくてこの映画を繰り返し観ていたのかもしれない。
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