「ほかげ」〜rap
塚本晋也監督の「野火」は衝撃的すぎて、しかし、本当の戦争を描いていると思った。
戦争に息子や身内が取られる・・・生きては帰れない・・・と、大事な人が殺されることを恐れる気持ちはよく聞くが、私は大事な人が人を殺す、そのことを恐れる気持ちが先に立つ
「ほかげ」では、それが描かれていたように思う。
人が人を殺すことはどのような場合であっても悪だと思う。
虐殺された過去をもつ悲しい民族が他の民族を虐殺する。世界ではそのことが繰り返されている。そういう思いは必ず将来の世界に引き継がれるのに。
殺傷能力のある武器を作る、持つことは必ずその先には殺される悲劇と殺してしまう悲劇がある。
殺してしまう悲劇は確実に人の柔らかな心を引き裂き、決して治らぬ傷となって残る。
戦地での経験を持つ人の苦しみも悲しみも、銃後の人間の苦しみも悲しみも、どちらがどうということではない。とにかく戦争が悪だ。
瓦礫の映像が鮮烈で目に焼き付いた。