見出し画像

生活する事の盲点とアポリア 過去日記 2015


身体がみしみし痛い
昨日 言いかけて言えなかったのは
純が不毛な話は嫌いと自分で言ってるのに
肩の痛みについて
彼は病院行く?と訊いてくれて
いるのに
病院に行かず 痛みを治せていない自分に
もどかしいからだ


病院へ行かないなら痛いと訴えるな
それは不毛だ
と自分に腹がたつのである


すべての事に問題点を見出したなら


大切なのは
その先だ

じゃあ取るべき行動は?


身体の事だけでなく
部屋の問題  et cetera



生活することの盲点とは
これをこうしたら
もっと快適になる
もっと素敵になる
という事が
しないならしなくても
それなりには生きていける
という点にある

結果
しなくても妥協という着地点を駆使する
事により
なあなあになる



それは気楽であり
金銭的な事からの回避
もしくは逃避になり
どんどん後回しにされる



純がもがいているのは
その狭間に立つ自分への折り合いのような
気がする
下手にやる気はあるので
もっとこうしたい
ああしたい
という向上心と現実的には
中々改善出来ない自分への苛立ち

彼が
純ちゃん部屋が狭いから片せなくて
イヤなんでしょ?
と言ってくれた
嬉しかった


部屋が云々というより
純の心の中を思いやってくれた
その優しさが
シャワーを浴びに行く前に
ボートの動画の変顔をして純を笑わせようとも
してくれた
その健気さに心で泣いた


どこまで天使なんだ



純の夢は昔から
テーブルで食事すること
椅子に座って

結婚式や結婚指輪
そういうものより日々の暮らしに
心の細部に宿るもので目を向けたいのだ


あと
何年生きれるか?
彼が思ってるより
危機感がある


たった一度の人生だから
夢を実現させたい



一方彼さえいてくれたら
それでいいという気持ちもある
それは本当で
これが自分の立ち位置への折り合いとの
様々な葛藤の根源でもある


彼が
クレジットカードを作るのを嫌がった時
本当はそんな彼を
頼もしく思った
そういう事に危機感を感じず
やたら借金を増やしてしまう人も多い


彼は堅実だ
そういう所が好きなのも本当なのだ
それが痛いくらい分かっていて
一方で
自分の余命を考えると

生活を丁寧に二人で暮らすことを
しないで
いつ?
という思いもある
具体的に何年先なら
引っ越ししたり出来るのか?
という展望もない


人はそうなってしまわないと
現実的にそれを見据えない
例えば
事故を起こしてしまい
毎月決まった借金ができたなら
既成事実として
その借金を返済するだろう
そんな風に決心しなくては
新しい暮らしなんていつになっても出来ない


でも
これらは純の独りよがりな願望で
元々
純のいない生活を送ってきた彼と
純とでは
そもそもズレているのも認識している



こうしたいな
残り少ない人生
彼と二人仲良く


その憧れと
それが叶わなくても生きてはいける
その着々と静かに蝕んでいく
暮らすことの盲点



借金をしないという
正しい倫理観
それを
持つ人への尊敬と
出来てしまったガン細胞への対処
そんな心意気で
あと一方暮らしを向上させる男意気を
願う純


その二つは
ハッキリと矛盾するものであり
故に
純は煩悶しているのである



アポリアとは
言い換えれば
人間が高みを目指す上での
避けられないものであり
その芽を共にきちんと見届けられる人と
生きていたい


彼は
それが出来る人だと思っている




***

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?