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コンプリート世界史③

・古代オリエントの統一
「アッシリアのオリエント統一⇒4カ国への分裂⇒アケメネス朝のオリエント再統一」という流れである。
アッシリアのオリエント統一は前2000年紀のはじめ、ティグリス川中流のアッシュルの街を中心に建国されたアッシリアによるもの。前1400年頃までは強大なミタンニ王国に圧迫されていたが、ミタンニやヒッタイトの滅亡後、鉄の武器に馬を引かせる二輪の戦車などを駆使して強大になり前700年はじめに、全メソポタミア、地中海東岸地域、小アジア、エジプト主要部にまたがる史上初の「世界帝国」を築きあげた。
しかし、アッシリアはこれほどの大帝国を築いたが長続きせず前612年には新バビロニアとメディアの連合軍に滅ぼされる。
なぜアッシリアの支配は長続きしなかったのか。それは征服した民族を集団移住させたり、領内を州に分け駅伝制を整え各地に置いた総督を通じて重税をかけたりと強圧的な統治を行ったからである。
アッシリアが滅んだ後、新バビロニア、エジプト、リディアとメディアの4カ国が成立する。
新バビロニアはカルデア人が建てたのでカルデア王国ともいう。バビロンを都として王国を建てメディアと共にアッシリアを滅ぼした。この王国の「ネブカドネザル2世」が「バビロン捕囚」を行いユダ王国を滅ぼした。
リディアは小アジアに建国して世界最古の「貨幣」を製造したこと、メディアはイラン民族の歴史上最初の王朝である。
次にアケメネス朝ペルシアのオリエント再統一について。
前550年、アケメネス家のキュロス2世がメディアを滅ぼしアケメネス朝を建てた。キュロス2世はさらにリディア、新バビロニアを滅ぼした。続くカンビュセス2世がエジプトを併合、オリエント再統一がなされた。3代目の「ダレイオス1世」の時代が最盛期である。ダレイオス1世は広い帝国を巧みに統治したことが挙げられる。1、領土があまりに広かったので約20の州に分け各州に「サトラップ(知事)」を派遣して統治させた。2、サトラップに「王の目」「王の耳」と称した監察官に探らせサトラップに反抗の機会を与えなかった。3、良質の金貨、銀貨を作って貨幣制度を整え経済を活発にさせた。4、「王の道」と称す国道を整備し、駅伝制度を整えた。5、征服した民族に対してはその宗教や風習を尊重するなどの寛容な統治を行った。
しかし、ダレイオス1世のあとはアケメネス朝は衰退しはじめ、ダレイオス3世がマケドニアのアレクサンドロス大王に前333年イッソスの戦いや、前331年アルベラの戦いで敗れ、前330年部下に暗殺されオリエント史上最大の帝国は滅んだ。
アケメネス朝の文化で最も重要なのは「ゾロアスター教」を保護したこと。
ゾロアスター教はゾロアスターがはじめた宗教で世界は善なる神「アフラ・マズダ」と悪なる神「アーリマン」の対立によって動かされているがやがて「最後の審判」がおこなわれ、正しいものは讃えられて正しくないものは厳しく罰せられると教えている。さらにゾロアスター教は中国にも伝わり火を神聖なものと考えるところから「拝火教」と呼ばれた。

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