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アル・グリーン

メンフィスのあの歌手とは、そうアル・グリーンです!!
アル・グリーンの音楽をご紹介する前に、まずはアル・グリーンの音楽のキーパーソンである、作曲家・プロデューサーのウィリー・ミッチェル(Willie Mitchell)についてちょっとご紹介したいと思います。

ウィリー・ミッチェルは、メンフィスに近いミシシッピ州のアッシュランドという小さな町で生まれ(1928年)、高校の時にメンフィスに移住しました。
高校の時にはすでにジャズのビッグ・バンドの一員として演奏し、また、かのB.B.キングのレコーディングにも参加したりしていたようです。大学で作曲を学んだ後、22歳(1950年)で陸軍に召集され、軍のバンドにも参加したりした後、メンフィスに戻り本格的に音楽活動を開始します。

当時、クールでスウィング感のあるジャズを演奏しており、徐々にソウル寄りになっていったようです。1961年以降は、レコーディング・レーベルのハイ・レコードに参加し、自身のインスト・ナンバーを録音したり、歌手のプロデュースを開始しています。
そして、ハイ・レコードで数々のレコーディングをしていく中で、自身が思い描くような音楽を実現するには、その音楽のイメージにピッタリの歌手を見つけることが大切だと考えるようになってきました。

そんな中、1968年(40歳)、自身最大のヒット曲「Soul Serenade」をひっさげて全米ツアーしていた途中のテキサス州ミッドランドのとあるクラブで、まさにイメージにピッタリの歌手と出会います!

その歌手こそ、アル・グリーンでした!!

1曲のみヒットをとばした後、続くヒット曲がなかったため、そろそろ歌手として続けていくのは難しそうだと考えるようになってきていたアル・グリーンに、経験豊富なミュージシャンであるウィリー・ミッチェルは言いました。

「一緒にメンフィスに来ないか?君ならスターになれる。」

ウィリー・ミッチェルには準備が整っていました。思い描くサウンドを出せるバック・ミュージシャンたちを揃え、望む音響が得られるスタジオを用意し、レコーディング技術も習得していました。
そして、アル・グリーンを迎えてサウンドを仕上げていき、1970年、ウィリー・ミッチェル&アル・グリーンとして、初のヒット曲「I Can't Get Next to You」を出して以降、ヒットを連発していくのです!!

そして、これらのヒット曲を集めた最高のベスト・アルバムがこちらです!

ジャケットも最高にキマっていますね!!

この動画では、個々の曲をサッとは聴きにくいので、ベスト・アルバムの曲順にそれぞれの曲も貼っておこうと思います。
(曲の発表順とは、少しバラバラになっていますが…)

1.「Tired of Being Alone」(1971年)

2.「Call Me (Come Back Home)」(1973年)

3.「I'm Still in Love with You」(1972年)

4.「Here I Am (Come and Take Me)」(1973年)

5.「Love And Happiness」(1972年)

6.「Let's Stay Together」(1971年)

7.「I Can't Get Next to You」(1970年)

8.「You Ought To Be With Me」(1973年)

9.「Look What You Done for Me」(1972年)

10.「Let's Get Married」(1974年)

1975年にレコードで出されたベスト・アルバムに収録されているのは、上記の10曲なのですが、1995年に出されたCDには5曲が追加されており、これらの曲も最高なので収録順に貼っておきます!

11.「Livin' For You」(1973年)

12.「Sha-La-La (Make Me Happy)」(1974年)

13.「L-O-V-E (LOVE)」(1975年)

14.「Full Of Fire」(1975年)

15.「Belle」(1977年)

最も有名な「Let's Stay Together」を筆頭に、カッコいい曲だらけです!!
(個人的には「Sha-La-La (Make Me Happy)」と「L-O-V-E (LOVE)」が特に好きでおススメです。また、このベスト・アルバムに収録されていない名曲も多くあり、オリジナル・アルバムもぜひ!)

多くの名曲を創り上げたウィリー・ミッチェルとアル・グリーンのコンビでしたが、アル・グリーンのプライベートの悲劇などもあり、アル・グリーンは教会でのゴスペル音楽に専念するため、ヒットを連発する日々に別れを告げました。
(その後、また教会でのゴスペル音楽ではない、いわゆる世俗音楽に戻って、2003年には久しぶりにウィリー・ミッチェルとアルバム「I Can't Stop」を創ったりもしています。)

確固としたビジョンを持ったウィリー・ミッチェルと、その音楽を実現するミュージシャンたち、そして歌手のアル・グリーン…
最高の音楽が生まれた奇跡、そして彼らの偉大なる才能・努力に感謝です。

(今回の記事は、以下の本を参考にしています。)


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