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禁断の果実を食べてしまう人の弱さ「魔法にかかった男」(文学ラジオ紹介本)

文学ラジオ第31回の紹介本
「魔法にかかった男」
ディーノブッツァーティ 著
長野徹 訳
東宣出版

イタリアを代表する作家の幻想と不条理の短編集。どこか不穏な空気が流れている作品が多く、幸せな話や明るい話はないですが、ユーモアはたっぷりあります。寓話の中に人の本質が描かれているので、非現実的な話なのに自分事のように迫ってきます。

「屋根裏部屋」は人の弱さが痛切に描かれていてとくにおもしろかったです。現代の屋根裏部屋を考えたら、それはスマホかもしれないという話もしています。他に「騎士勲章受賞者インブリアーニ氏の犯罪」「勝利」を取り上げています。

本書のあらすじ
現代イタリア文学の奇才ブッツァーティ待望の未邦訳(みほうやく)短篇集です。初期から中期にかけて書かれた20作品を収録。1篇をのぞく19篇が初ほう訳!
誰からも顧みられることのない孤独な人生を送った男が亡くなったとき、町は突如として夢幻的な祝祭の場に変貌し、彼は一転して世界の主役になる「勝利」、一匹の奇妙な動物が引き起こす破滅的な事態(カタストロフィ)「あるペットの恐るべき復讐」、謎めいた男に一生を通じて追いかけられる「個人的な付き添い」、美味しそうな不思議な匂いを放つリンゴに翻弄される画家の姿を描く「屋根裏部屋」……。現実と幻想が奇妙に入り混じった物語から、寓話風の物語、あるいはアイロニーやユーモアに味付けられたお話まで、バラエティに富んだ20篇。

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