満州のある都市、夢と戦争の半世紀「地図と拳」(前編)、小川哲著
文学ラジオ第92回の紹介本
満州のある都市、夢と戦争の半世紀
「地図と拳」(前編)
小川哲 著
集英社
満州の空想都市を舞台に日露戦争から第二次大戦までの半世紀を怒涛の展開で描く、600ページ越えの大作。今回はこの濃厚な物語を前後編にわけてお届けします。
一昨年は「ボーン・クロックス」、昨年は「蛇の言葉を話した男」と、毎年恒例で骨太な長編ファンタジーを紹介してきましたが、今年はその枠が「地図と拳」になります(ファンタジーではないですが)。
▼後編はこちら
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本書のあらすじ
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「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」
日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野……。奉天の東にある〈李家鎮〉へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。
ひとつの都市が現われ、そして消えた。
日露戦争前夜から第2次大戦までの半世紀、満洲の名もない都市で繰り広げられる知略と殺戮。日本SF界の新星が放つ、歴史×空想小説。
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