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Reading Live「雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた」行ってきました

雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた フライヤー

会期:2024年10月1日 15:00開演/19:30開演
      10月2日 14:00開演/19:00開演
会場:南青山 MANDALA
主催:NANYA-SHIP
出演:都築香弥子(風吹景子)/中島久之(新村久)/磯部勉(北村英一)里村孝雄(畑米八)/大島宇三郎(坪田英次郎)/浅地直樹(六角始)/原口健太郎(北村次郎)/新井理恵(弥生理恵)/彩萌(夏子)/落司さとこ(城崎すみ江)/関谷道子(彼女1)/太田知子(彼女2)/芳尾孝子(彼女3)/髄(語り)/南谷朝子(弥生俊)

南谷朝子さん座長の劇団NANYA-SHIPが上演するシリーズ「Reading Live」に清水邦夫作「雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた」がかかりました。この作品は1982年に蜷川さんの演出で淡島千景主演という豪華な初演。1973年の櫻社解散により蜷川さんと別れ、9年ぶりにコンビが復活した記念碑的な作品です。2009年に再演されたときも、鳳蘭主演という華やかな舞台でした。私も初演はさすがに間に合わずでしたが、鳳蘭主演の方は観ました。このときも出演されていた磯部勉さんは坪田英次郎役でした。また、南谷さんと新井さんのお二人は2021年にシアターXで経験されてますね。

「雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた」(清水邦夫著作リスト)

この舞台、少女歌劇団を扱っているという点や女優の出番が多いことなどから様々な団体により各地で上演されています。この“石楠花少女歌劇団”には実在のモデルがあり、福井市の西武福井店の前身「だるま屋」で1931~36年にあった少女歌劇部だそうです。谷崎由依「遠の眠りの」という小説もこの少女歌劇を舞台にしているそうです。ちょっと読んでみたい気もします。

座長の南谷朝子さん初め、磯部勉さん、中島久之さん、新井理恵さん、原口健太郎さん、関谷道子さん‥木冬社を知る人なら懐かしい顔がたくさん!うわーっていう感じで感無量でした。皆さんお元気そうでよかったです。

風吹景子役の都築香弥子さんは昨年Yesterdayにも出演されていましたね。現在劇団桟敷童子の原口健太郎さんのひげ面の女装が本当に印象深くて。髄さん、彩萌さんの若手のキラキラぶりがもうまぶしくて。

客席もやはり年齢層ものすごく高いのですが、時折若い方も。年齢は高めですがきれいな女性が多かったので、舞台にあがる方がまじっていらしたのではないかと思いました。

ハヤカワ演劇文庫

歌劇団は太平洋戦争の慰問中に爆撃に遭い半数が死亡、半数が散り散りになったという設定で、そこから40年ぶりの残酷な再会劇。清水作品の特徴である虚実綯い交ぜの舞台。誰がどんな嘘をついているのか、どこからが幻想なのか、ロマンティックでありながら少しサディスティックな戯曲です。

30人ほどの女優が郡舞を踊るという、もともとはかなり大勢の舞台だと思うのですが、最小限の人数でかつリーディングということで演出に様々な工夫がされていることがよくわかりました。110分という長丁場で、清水邦夫作品としては恒例ですが台詞が多くたいへんな舞台だと思います。2日間4公演はもったいないような豪華メンバーで素敵な舞台でした。上演してくださって、ありがとうございました。

NANYA-SHIP「雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた」(清水邦夫公式サイト)

どうしても映っちゃう‥
上演前。舞台横

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