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トルコ南東部を行く④--長い歴史の深みが感じられた冷前菜
前回、中途半端に書きかけた、トルコ南東部ハタイ県アンタキヤのレストランでの食事の話を続ける。前菜ディップの彩りと味わいがすばらしく、ハタイの好印象が一気に跳ね上がった。
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皿の真ん中に鎮座するのが、ひよこ豆のペーストのフムス(ホンモス)。やや、ゴマペースト「タヒーニ」の配合具合なのか、あっさり目の味。写真下、トマトのエズメ。エズメは「すり潰したもの」つまりペースト料理の意味だ。
時計回りに、ディル入りの白いペースト。ヨーグルトのまろやかさと、ディルのさわやかな風味がマッチしている。その上はナスのディップ。隣りのシリアでも「ババガヌーシュ」(ナス)と言われて前菜の定番。その右は、イタリアンパセリ入りの白いディップ。イタリアンパセリはトルコ、シリアだけでなく、地中海地域全域で不可欠な野菜だ。さらに右のオレンジ色のディップは、とうがらしとクルミのディップ。結構辛いが、クルミのコクがきいていてむしろ旨みが強く感じられる。最後の右端のディップは、ルッコラ入りだったような気がする。
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この、すばらしい冷たい前菜のお供は、いうまでめなくエキメッキ(パン)なのだが、ここで出てきたものは一風変わっていた。
エキメッキというと、イスタンブールあたりでは、フランスパン(バゲット)のような(そもそもトルコのほうが本家という説もあるが)パンが出てくることが多い。アナトリア半島では、円形の平型パンが主流になるが、それとも違う楕円形。しかも、指紋のようなシワが刻まれている。焼き具合がうまいのか、大変香ばしい。パンだけでいくらでも食べられそうだった。
かくして、アンタキヤ最初の夜、ハタイのすばらしい前菜とパンのおかげもあって、とても楽しいものになったのだった。
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